仕事

元セクシー女優が引退後に経験した「セクシー女優の後遺症」を暴露

年齢指定スレスレの作品を提出して大後悔

たかなし亜妖さん

講師に“エロ要素”を指摘されることに…

 執筆は自由だ!シナリオは個性だ! と言い聞かせ、ホラーと色っぽい描写を掛け合わせた世界観を作り上げる。この時世間体なんて言葉は頭から消えており、やや抵抗感を覚えながらもそのまま提出した。  来たる次の授業。遂に自分の番がやってくる。先生は事前に原稿へ目を通していたため、半笑いの状態でこう言った。 先生「たかなしさん、これってあの……軽いエロ表現あるよね?」 たかなし「ソウデスネ」  当時の私は覚悟が足りなかった。気まずそうな表情を浮かべるクラスメイトに、「なかなかパンチが効いているねぇ」と呟く先生。全員の顔を見た瞬間、本気でやめれば良かったと後悔した。  きっと2年半セクシー業界にいて色々マヒしていたのだろう。一般的な感覚では、成人向け描写があるシナリオを堂々と人に見せないはずだ。  ここが物語専門のスクールだからまだ許される(?)ものの、他の場所でやったら大問題でしかない。

セクシー女優の後遺症ゆえの評価も

 まさにセクシー女優の後遺症とも呼べる感覚のズレ。個性の出し方を思い切り履き違え、のっけから大失敗した。  ただ先生はとても寛容で「強気な作品を早々に発表した生徒はかつていない」と度胸だけは認めてくれた。  シチュエーション的にフォローを入れるしかなかったのだろうけど、注意を受けずに済み、ほっと胸を撫で下ろす。まさか怒られるんじゃ……という不安が3割くらいはあったからだ。  発表時は滝汗が止まらなかったものの、後に仲良くなった生徒の一人もこの件をきっかけに声をかけてくれた。変な勢いの良さとニッチすぎる雰囲気が好きだったらしい。話を聞くと、彼女もまた趣味が一緒の同志であった。  私の感覚は常識的に見れば完全アウトだが、この場が“シナリオスクール”だったことにより何とかセーフ。けれども世間体を少しは気にして生きるべきだと反省した。
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セクシー女優上がりには良い社会復帰の一歩だった
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元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
Twitter:@takanashiaaya

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