――番組が終了することは、スタッフさんなどから聞いていたんですか？ 有田：いえ、多くの視聴者さんと同じようにネットニュースで知りました。 ――その事実を知ったときどう感じましたか？そして、少し時間が経った今はいかがですか？ 有田：最初は、とにかく愕然としましたね。そしてものすごく寂しさがこみ上げてきて。でも、色々と考えるうちに「この引き際がタモリさんなんだな」と思えるようになってきました。 ――それほど、ご自身の人生にとって大きな存在だったんですね。 有田：「青春」でしたね。くだらないことをたくさんの大人が本気になって作ってるのは、なんだか本気の文化祭の延長みたいで。例えば、撮影のために飲食店をお借りするときも、ディレクターさんが「これがこうやって聞こえるっていうVTRを、撮らなくてもいいのに撮りたいんです」って交渉したりして（笑） ――空耳アワーだけでも、配信などで残して欲しいと言う声もありますね。 有田：僕も寂しいから、そう思っていたんですが、音楽を使っていることもあって権利の関係で配信もDVD化も難しいみたいです。この儚さも青春です。 　多くの人に数々の笑いを届けて来た『空耳アワー』。儚く過ぎていく過去のものになるが、私たちの記憶には、有田さんのお尻とともに、いくつもの作品の思い出が刻まれている。 ＜取材・文／Mr.tsubaking＞ Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大！天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。