空耳アワー“おしりの人”を直撃「タモリ倶楽部は大人の文化祭。青春でした」
『タモリ倶楽部』が2023年3月を持って終了することが決まった。番組自体はもちろん、同番組の人気コーナー『空耳アワー』が失われることへの寂しさの声も数多く飛び交っている。そんな空耳アワーのVTRに役者として15年以上出演し続け、ファンの間では「おしり俳優」としても知られる、有田久徳という芸人がいる。独特な番組との関わり方をした彼は、今どう感じているのか聞いた。
――まず、空耳アワーの役者になったきっかけを教えてください。
有田久徳(以下、有田):空耳アワーのVTR撮影があると言われて行ったら、3〜4人集められていて、スタッフさんに「じゃあ、お尻見せて」って言われました。
――初対面でお尻を出すんですね(笑)。その中からなぜ、有田さんが選ばれたんでしょう。
有田:毛が生えていたりすると汚く見えるのであまりよくなかったり、セクシー過ぎても基準から外れたみたいですね。
――「ちょうど笑えるお尻」が求められたんですね。撮影現場は独特ですか?
有田:まず本数が多くて、1日8本とか撮ります。最初の頃は、当日まで撮影プランも僕には知らされてなく、現場に行って絵コンテを渡されるんですよ。それから、音声がないVTRを撮るので他の現場より、表情や動きはみんなオーバーになりますね。
――現場では、ネタの楽曲は流れているんですか?
有田:基本的には流れていますよ。例えば「いてー!」と聞こえるネタだったら、曲に合わせて演技を初めて、タイミングよく表情を作ります。声は使われませんが、現場ではみんな実際に声を出してますね。
――できあがりを見ているだけでも、他にないVTRの雰囲気が空耳アワーの魅力ですが、現場も独特なんですね。
有田:空耳アワーのファンだからということで、別の現場のオーディションに呼んでもらえることがあるんですけど、実際に行って演技すると、監督さんに「演技が、空耳っぽすぎるね」って言われて帰されたこともありました(笑)。
――印象に残っている撮影はどんなものですか?
有田:僕は基本裸なので、敵は寒さです。「ヌルヌル維持中」って聞こえるネタがあって、その撮影の時に、朝から晩まで全身にローションを塗ったままでいなきゃいけないのが寒くて寒くて。
しかも、震えてしまうと伝えたいことがブレるんですが、どうしても震えちゃうんですよ。それで、スタッフさんが、カプサイシン入りの温感ローションを買ってきてくれて凌いだこともありましたね。
――素っ頓狂なVTRの裏にそんな苦労があったんですね!おしり俳優として、気を使っていることはありますか?
有田:痕がついてしまうので、撮影前や撮影中は待ち時間でも座らないようにしています。それから、僕のおしりに他の役者さんが顔を近づけたり触ったりするようなネタもあるので、お腹が痛くなっても『大』はできないですね(笑)。朝、きちんと出してシャワーを浴びて綺麗にしてから現場に行きます。それでも、1日撮影していると、便意が来ることもあるので、お腹が痛くもないのに胃薬を飲んでたりしましたね。
――おしりのケアはしていましたか?
有田:前の妻がエステテシシャンだったので、ピーリング剤や化粧水などをおしりに塗って手入れをしてもらっていました。
おしり俳優の誕生
人知れず苦労もあった
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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