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WBC準決勝、最大の敵は“投手の出し惜しみ”。「佐々木→山本→今永」で必勝を

メキシコ戦はロースコアの展開になる?

 さて、準決勝の相手はメキシコに決まった。1次ラウンドでアメリカ、準々決勝でプエルトリコといった優勝候補を倒した友好国との戦いは、今までにない熾烈なものになるだろう。かつて、強化試合などでメキシコとの対戦経験があり、第1回大会でも勝利を挙げている。苦手意識を持つことなく迎える相手である事に違いない。  とはいえ、それは「楽に勝てる」とか、「メキシコは格下」という意味ではない。昨季のナ・リーグで防御率1位のフリオ・ウリアスこそ規定により登板機会はないが、他にもメジャーリーガーを多数揃えるタレント集団だ。かつてオリックスに在籍したメネセスはナショナルズで13本のホームランを放っており、1番を打つアロザレーナはレイズ時代の筒香嘉智とのポジション争いを制した選手だ。  おそらく、これから優勝までの2試合では、相手は投手陣を小刻みに投入してくることが予想される。あと2試合となり、どのチームも負けられない試合の中での投手起用は、目先をたくさん変えて凌いでいこうと考えるからだ。これは世界での主流となる野球で、6回以降はそうそう得点できないことを想定しなければならない。

侍ジャパンの打順はどうするべきか

 そうなっていくと、ポイントとなるのは打線の序盤からの得点だ。  第1次ラウンドから準々決勝まで、最低でも7得点を奪ってきた侍ジャパンはかつてのないほどの攻撃力を誇る。序盤から好機をつかんで、いかにリードを保った状態で中盤を迎える展開に持っていけるかがキーになる。  侍ジャパンの打線は、準々決勝のイタリア戦でテコ入れした。不調だった4番の村上を5番に下げて、吉田を4番に起用した。おそらく4番はそのまま吉田になるだろうが、打線のバランスを考えて5番は岡本和真にしてもいいだろう。
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序盤の段階で勝負を掛けるべき
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新聞社勤務を経て、2003年にフリージャーナリストとして活動開始。『Number』(文藝春秋)、『slugger』(日本スポーツ企画)などの紙媒体のほか、WEBでも連載を持ち、甲子園大会は21年連続、日本シリーズは6年連続、WBCは3大会連続で取材している。2018年8月に上梓した「甲子園という病」(新潮新書)が話題に。2019年には「メジャーをかなえた雄星ノート」(文藝春秋)の構成を担当。 Twitter:@daikon_no_ken

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