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WBC準決勝、最大の敵は“投手の出し惜しみ”。「佐々木→山本→今永」で必勝を

投手起用のトレンドからは逆行するが…

 問題は今の投手陣の優先順位を決めていくことだろう。  規制のかかりそうなメジャーリーガーを外すと、山本―佐々木―今永昇太(DeNA)―宇田川優希(オリックス)―伊藤大海(日ハム)―高橋奎二(ヤクルト)―大勢(巨人)の順でプライオリティが高そうだ。ちなみに、20歳の高橋宏斗(中日)はタイブレーク要員だ。  この中でどうやりくりするかだが、準決勝の理想的な青写真は佐々木、山本と今永で7イニングを抑えたいところだ。投手交代のタイミングがイニング途中になりそうな場合のみ、伊藤、大勢を間に挟み、クローザーは宇田川に任せたい。  世界の潮流とは、逆をいく投手起用になるだろう。しかし、それは決して悪いことではない。先発陣が充実している侍ジャパンの強みを出すことは勝利に繋がるからである。ゲーム展開を読みながらのピッチングができる投手が揃っているので、これを生かさない手はない。  そのためには先手必勝。ゲームを序盤からリードする展開に持ち込み、「勝てる先発投手」たちの投球術で主導権を握っていく。世界とは異なる“侍ジャパンオリジナル”で、3大会ぶりの決勝進出を目論みたい。 <文/氏原英明>
新聞社勤務を経て、2003年にフリージャーナリストとして活動開始。『Number』(文藝春秋)、『slugger』(日本スポーツ企画)などの紙媒体のほか、WEBでも連載を持ち、甲子園大会は21年連続、日本シリーズは6年連続、WBCは3大会連続で取材している。2018年8月に上梓した「甲子園という病」(新潮新書)が話題に。2019年には「メジャーをかなえた雄星ノート」(文藝春秋)の構成を担当。 Twitter:@daikon_no_ken
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