更新日:2023年03月28日 14:02
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現3歳世代が猛威を奮う「社台の逆襲」は本物か? データで検証 

過去との比較で浮かび上がる‟明暗”

競馬

昨年の菊花賞馬アスクビクターモアも社台ファーム生産。今週の日経賞でも本命視されている

 社台ファームの好調ぶりは、過去データと比較すると明らかです。 世代別 新馬戦成績の比較 2019年産 ノーザンファーム 73勝 勝率17% 複勝率43% 単回収率84% 複回収率86% 社台ファーム 27勝 勝率10% 複勝率26% 単回収率133% 複回収率99% 2018年産 ノーザンファーム 73勝 勝率17% 複勝率44% 単回収率111% 複回収率80% 社台ファーム 17勝 勝率7% 複勝率26% 単回収率63% 複回収率79% 2017年産 ノーザンファーム 89勝 勝率23% 複勝率48% 単回収率108% 複回収率84% 社台ファーム 22勝 勝率8% 複勝率28% 単回収率67% 複回収率77%  2017年には新馬戦で89勝挙げていたノーザンファーム生産馬が、73勝→73勝→60勝と大幅に勝ち星を減らしたのに対し、社台ファーム生産馬は、22勝→17勝→27勝→46勝。ノーザンファームが減らした勝ち星+αを、社台ファームが手にしています。2018年産で大きく数字を落としていた社台ファーム生産馬が、2019年産から巻き返しに転じ、それが結実したのが現2歳世代となる2020年産馬ということ。ファンは、ノーザンファーム>社台ファームと強く印象づけられているので、馬券妙味があるわけです。

今後も「社台狙い」は有効

 社台ファームの成績が向上した要因は、坂路の改修、外厩の整備などが考えられますが、もともと、競馬通で知られる野球解説者の山本昌さんは「抱えている繁殖牝馬のレベルは(ノーザンファームと)遜色ないから、きっかけ一つで一気に浮上してくるはず」と常々おっしゃっていました。 「取材で伺った時に、社台ファームの皆さんは全員がとても元気に挨拶してくださる。これは従業員への強い意識付けをしないとできないこと。復権は近いと思う」とも。  さまざまな要因が重なって、今、まさに復活の狼煙を上げたところなのでしょう。  具体的な馬券の狙い目としてはノーザンファーム生産馬が1番人気になっているレースでの社台ファーム生産馬の狙い撃ちが面白そう。どうしても、昨今のペーパーオーナーゲームブームの影響もあいまって、ノーザンファーム生産馬が過剰に売れる傾向にあります。  ノーザンファーム生産馬が強いことは揺るぎない事実ですが、日本の競馬がパリミュチュエル方式で行われている以上、狙いはまだファンの意識が追いついていない社台ファーム生産馬。  そういえば、冒頭に挙げた京成杯もスプリングSも、1番人気はノーザンファーム生産馬のセブンマジシャンでした。 文/松山崇
馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
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