スポーツ

師匠が父だった元ガールズケイリン選手。現役時代の「微妙な親子関係」を語る

「父親と娘」の師弟関係とは

岡崎さん

元ガールズケイリン選手の岡崎優美さんと、父であり元師匠でもある岡崎哲昌さん

 競輪の世界では「師弟関係」と呼ばれる文化が存在し、弟子は師匠のもとで競輪選手としてのイロハを一から学ぶ。基本的には同じ登録地の選手同士で師弟関係を結ぶことが多いのだが、人によっては親子でコンビを組むケースも。  そこで今回は、19歳でデビューし、父親が師匠だった元ガールズレーサーの岡崎優美さんに当時の話を聞いた。19歳の娘というと父親にとっては何かと気を遣うことが多いお年頃。そこに師匠と弟子の関係性が上乗せされるとどうなるのだろうか。

反対する父親を熱い想いで説得

岡崎さん

現役時代の岡崎優美さん

 競輪選手を引退後、競輪新聞の記者を経て、現在は「静岡けいりんチャンネル」などの競輪番組への出演やイベントのMCなど、マルチに活躍中の岡崎優美さん。学生時代はバレーボールに没頭していた彼女が父親と同じ世界へ進もうと思ったきっかけは、初代女王にあったという。 ——学生時代はバレーボール一色の毎日だったそうですが、なぜ競輪の道に進もうと思ったのでしょうか。 岡崎:私立の中高一貫の学校に進学して6年間バレーボールに明け暮れていたんですが、高校3年生のときにインターハイに出場できたので燃えつきちゃったというか、やり切った感があって……。あまり勉強もしていなかったので、その後はどうしようか迷っていたら、母から「ガールズ競輪はどうなの?」と言われました。もちろん存在は知っていましたし興味もあったので、いろいろと調べてみまして……。そこで初代女王の小林莉子さんが第一回のガールズグランプリで優勝して賞金ボードを掲げている写真を見たんです。そのとき「女子でもこんなにカッコいい選手がいるんだな」ってことを知って、やってみたいと思いました。   ——当時、現役の競輪選手だったお父さんのリアクションはいかがでしたか。 岡崎:それが、父からは「危ないからやめておけ」と反対されたんです。落車の痛みを経験している父からすると、同じ仕事をしてほしくないと思ったのかもしれませんね。そのあと母にも相談して、もう一度父に自分の想いを伝えたら「わかった」といってくれました。
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“師匠”となった父との微妙な関係性
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パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。
X(旧Twitter):@sagyosakurai

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