世界初の“特攻服”カタログ「全国各地でぜんぜん違う」今明かす6万部大ヒットの裏側
こんにちは。伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』3代目編集長をやっていた倉科典仁と申します。ティーンズロードは1989年に創刊され、90年代には社会現象に。現在は休刊となっておりますが、そんな本誌に10年以上携わっていました。
暴走行為(共同危険行為等)は決して許されるものではありませんが、時を経て、編集者として今振り返る「暴走族」の姿とは……。
皆さん、「特攻服」ってご存知でしょうか?
昭和から平成のはじめ頃に生まれた方は目にしたことがあると思いますが、暴走族が集会などで着る、暴走する時の「正装」と言えばいいでしょうか。
特攻服のルーツは諸説あるので割愛しますが、当時の特攻服は1着仕上げるのに30万円を超えるような刺繍を施したものまでありました。彼らにとっては“命の次に大切”と言っても過言ではなかったのです。
自分のチーム名をはじめ、背中(背文字)には各自それぞれが考えた「詩」や、好きなアーティストの歌詞、または「喧嘩上等」などのイカつい刺繍を入れ、暴走時はもちろん、先輩の引退式や祭りなどにはそれを着て参上するという、まさに「ヤンキー界のフォーマルウェア」であるわけです。
約30年前、私は全国の暴走族を取材しているうちに、特攻服と一口に言っても様々なデザインが存在することに気がつきました。
各地方によって刺繍の傾向やトレンドがあったり、着こなしにも個性があったり、男女で入れる文字が違っていたり……そこには、一人ひとりのセンスも垣間見られます。
そこで「特攻服のファッションや着こなしをまとめたら面白いのでは!」と思い、すぐに当時の編集長に「特攻服カタログ」の企画を出したところOKが出ました(のちに当時の編集長から聞いた話では“そんなに売れないだろう”と思っていたそうです……)。
私は、すぐさま制作に取り掛かりました。
「特攻服」はヤンキーたちの正装だった
全国各地でデザインや着こなしが異なる
伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。
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