更新日:2023年06月05日 19:43
エンタメ

世界中の格闘家や暗殺者から命を狙われる…「天然サラリーマン」の意外すぎる“正体”<漫画>

背神活殺流拳法のモデルとなったのは?

――背神活殺流拳法は実在の拳法などがモデルになっているのでしょうか? 雪永:背神活殺流拳法は何もモデルにしていません。そもそも『サツドウ』は、「この世に実在する格闘技vs背神活殺流拳法というこの世に存在しない武術」の対立構造を醍醐味にしていこうと思っているので、むしろ何かに似ないように強く意識しています。  ただ、要所要所のアクションでは、東洋武術ということで、たまに中国拳法をベースにすることが多いです。体の動きは中国拳法の打撃法をよく見てまねたりはしますが、それでも何かを連想させるような感じにはせず、完全に架空のものを作ろうと努めています。 ――赤森六男は天然ぶりが凄まじいですが、モデルになる人物はいるのでしょうか? 雪永:モデルはいません。僕をよく知る人からは「これ、ほぼおまえじゃん」と言われますが、そこは「違う」と明言しておきます。  ただ、六男に限りませんが、モデルは作らない一方で、エピソード自体はモデルやモチーフがあります。具体的には、人の体験談をそのまま利用しています。たとえば、六男の先輩の桂木は土日に少林寺拳法を子どもたちに教えていて、今の奥さんとも少林寺サークルで出会って結婚しました。これはそのまま同僚のエピソードです。エピソードは丸々持ってくることがちょくちょくあります。

コメディーパートは意外と神経を使っている

サツドウ

『サツドウ』 ©講談社/雪永ちっち、なだいにし

――ということは、ハゲワシチョコレート(製菓メーカーに勤める赤森が考えたお菓子)のようなアイデアもエピソードがあるのでしょうか? 雪永:そういうコミカル要素にモデルはありません。では、どういう風に考えているかというと、ツッコミから逆算しています。たとえばハゲワシチョコレートだと、「そんな動物モチーフにしたら売れないだろ」というツッコミから逆算して考えます。  ただ、5話目でカマドウマせんべいがちらっと出てきますが、最近、無印良品でコオロギせんべいが発売されて、「ヤバッ!」と思いました。こういう風に実現されたらアウトなので、コメディーパートは意外と神経を使っています。 <取材・文/みみずく> 【雪永ちっち】 漫画原作者。東京理科大学工学部(プログラミング専攻)を卒業後、新卒でキヤノングループに就職。外資系ITメーカーのヒューレット・パッカードに転職後、コロナ禍の在宅勤務中に持て余した時間を潰すために始めた漫画投稿が話題になりデビュー。 Twitterメインアカウント:@tittiisme サブアカウント:@yukinagasub
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家庭教師&ライター。アート、オカルト、教育を軸に、広く文化全般が興味関心の対象です。まじめに教材作成をする一方、サブカル、妖怪、アングラ、フェチなどに関連するイベントを取材します。水木しげる御大がお亡くなりになった年に「境港妖怪検定」上級合格、数少ない上級妖怪博士になりました。著書『がんばらなくても偏差値が10あがる中学生の勉強法70のヒント』、教育サイト「みみずく戦略室」、Twitterアカウント:@mimizuku_tutor

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