更新日:2023年06月05日 19:43
エンタメ

特殊すぎる家庭環境の“最強”サラリーマンが生まれたワケ「第1話は15回修正した」<漫画>

「第1話は15回修正した」

――人気の秘訣はやはり六男のギャップのように思います。 雪永:実は第1話は15回修正しました。修正10回目まではコメディー要素が全くなく、殺伐とした暗い漫画でした。六男は、社会常識がない特殊な環境で育ってきたがゆえに、感じの悪いキャラクターにしていました。でも、「これだと読者に響かないだろうな」と思い、「せっかく特殊な環境で育って社会常識がないなら、それを笑いの方向にもっていこう」と決めて、表では天然キャラで裏では冷酷という設定にして、後半で急遽方向転換しました。 ――もとからギャップを狙っていたわけではないんですね。 雪永:最初のほうに描いたネームでは、六男は「忙しいから話しかけてくんなよ」みたいなキャラクターで、殺伐としていました。それを現在のように変えて、結果的によかったです。殺人を常としてきた特殊な環境で育ってきたという設定ゆえに、どんな天然ぶりを書いても許される感じがあります。それはある意味でおいしい設定だったと今では思います。

バズるコツは「ツッコミからの逆算」

サツドウ

『サツドウ』 ©講談社/雪永ちっち、なだいにし

――『サツドウ』だけでなく、雪永さんは普段のツイートも人気です。SNSでバズるコツがあれば教えてください。 雪永:漫画のコミカル要素と同じで、全部ツッコミからの逆算です。「こういう風にツッコんでほしい」「こうツッコむ人が多いだろうな」というところからボケを考えることが多いです。「読者やフォロワーからこういう反応がたくさんあるだろう」というところから逆算して考えますが、想像に反して全然反応してもらえないこともあります。 ――『サツドウ』について読者からの反応を教えてください。 雪永:ありがたいことに、読者からの反応はバラバラで偏りがありません。たとえば、六男の天然ぶりやビジュアルが好きというご感想が多いです。格闘のウンチクが好きという方もいますし、背神活殺流の独自のロジックが好きという方もいます。  連載当初から、女性キャラのビジュアルが可愛くて好きという方も結構います。最近増えてきたのは、サブキャラとして活躍する半グレの青田がかっこいいというご感想です。僕も連載当初から「読者層をできるだけ広くしたい」という思いを抱いていたので、後はそのバランスを上手く取って、各要素を楽しんでいただけるように頑張っていくつもりです。
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作画が決まるまでの経緯は?
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家庭教師&ライター。アート、オカルト、教育を軸に、広く文化全般が興味関心の対象です。まじめに教材作成をする一方、サブカル、妖怪、アングラ、フェチなどに関連するイベントを取材します。水木しげる御大がお亡くなりになった年に「境港妖怪検定」上級合格、数少ない上級妖怪博士になりました。著書『がんばらなくても偏差値が10あがる中学生の勉強法70のヒント』、教育サイト「みみずく戦略室」、Twitterアカウント:@mimizuku_tutor

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サツドウ(1)

平穏な社会生活の影で繰り広げられる暗闘劇、ここに開幕!!

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