お金

親の遺産4000万円を元手に投資、暗号資産で12億円。詐欺で全財産を失った男の「天国と地獄」

株で成功後、資産12億円を達成するまで

――株式投資で成功し、資産12億円を達成したのでしょうか。 よしさん:いえ、株はその後の平均は年収1000万円に届かないぐらいです。大きく伸びたのはやはり暗号資産。2016年、僕が27歳のときは株式界隈で暗号資産に前向きな人はほとんどいませんでした。FX界隈にはちらほらいるぐらい。知り合いの投資家は、ほとんど仮想通貨を毛嫌いしていましたね。それで「あ、これは成功する」と思えたんです。みんなが揃って否定するものには、なにか起爆剤といいますか、チャンスが潜んでいるものですから。  最初は300万円からスタートし、上がってきたタイミングで、当時所有していたワンルームマンションや保有する株を売って、5000万円ぐらい追加投資しました。いちばんピークのとき12億円になりました。  もう絶頂ですよね。御殿場アウトレットで、1回で100万円分ぐらい服をまとめて買ったこともあります。大抵のナンパ師は女ウケのいい服を選ぶのですが、自分の好きなハイブランドは女ウケが悪いです(笑)。  でも暗号資産を現金化すると日本の税制では半分を税金でもっていかれる。せっかくリスクをとって投資したのに、これでは割に合わないと現金化できないでいました。資産といっても増えているのは評価額です。一方で現金はどんどん減っていく状況に焦りを感じていました。

海外へ移住するが「停滞期間」に

よしさん

総資産3億円を超えた頃(よしさん提供)

――そのような状況をどのように打破したのですか。 よしさん:暗号資産にかかる税制が優遇されている海外への移住です。その頃は、なにかと足を引っ張り合い、成功者をねたむような日本社会の雰囲気に嫌気が差していましたし、学生時代は海外留学もしていたので、もう一度海外に行きたいという思いも重なりました。  しかし、海外での2年間は結果としては停滞期間になってしまいました。現金化には成功したものの、お金があると労働意欲はわかないし、ごはんも合わない。毎日、伊勢丹のフードコートでサンマの塩焼きを食べていました(笑)。  いちばんつらかったのは女の子との出会いがなかったことです。お金だけでは生きがいは感じなかったですね。やっぱり、僕は女性に認められないと死にたくなるんだと実感しましたね。
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最高レベルの美女を「攻略」するために帰国
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編集プロダクション、出版社を経て独立。ビジネス系からカルチャー系まで多岐にわたって執筆する。趣味は映画観賞、自伝研究、筋トレ

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