夫の“実家優先主義”は、それ以降も留まるところを知らない。 「出産の際は帝王切開で、非常にたいへんな思いをしましたが、義母から『寂しい』と呼び出されると、必ずオンコール並みに駆け出して行きました。実家ではなくこちらの家庭を優先すべきではないのかと私が訴えると、夫は不思議そうな顔で『だってお母さんはひとりだから』と言いました。理解に苦しむ言葉です」 息子の甘やかしも手伝ってか、義母は増長し続けた。 「出産前には夫の名前が彫られたよくわからない不気味なスプーンを買って渡してきたり、とにかく思うままに行動しても誰も咎めないのでエスカレートしています。子どものお宮参りの際には、まるで自分が主役みたいな顔で孫や子どもと写真に納まっていますよ。私は撮影係です。私と子どもの写真は一枚もありません。このことについても、夫は『日本は昔から年長者優先だからね』の一言で終わりです」 独り暮らしをしている義母を案じてか、夫は多忙にもかかわらず休日を母との時間にあてている。 「毎週末は実家に泊まっています。子どもの初節句のときも実家に泊まっていたので、怒りを通り越して虚脱感が襲ってきました。親としての自覚に欠けますし、どれほど実家を優先させれば気が済むのでしょうか」