更新日:2023年07月04日 18:56
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女子高生がSNSを“部活動”として運用、「バズる」動画撮影の裏側とは

SNS発信は「ほとんどやったことがなかった」女子高生たち

コンテンツ案

ボードに書かれたコンテンツ案の数々

 キカクブは「女子高生たちが企画・撮影・編集まで全てやる学校公式のTikTok」として、地元メディアでたびたび取り上げられている。キカクブ立ち上げ当初から所属している3年生たちに話を聞いた。 ――キカクブ立ち上げで苦労したことはありましたか? キカクブ「社長」リコ☆ピンさん:キカクブに入る前は、SNSアカウントは持っていましたけど、基本的には見る専門で発信はほとんどしていませんでした。 でも、顧問の先生に「デジタルマーケティングの勉強になるからやってみない?」とお誘いを受けたんです。それで、キカクブに入ってすぐに「TikTokするっちゃんねー。リコ☆ピン中心でよろしくー」と言われたんです。TikTokは見るけど、発信したことはほとんどないし、「いや、ウソやろ?」と思いました。 当時はお手本になるTikTok発信をしている高校がほとんどなかったので、「どうしよー!」と思いながら企画を考えていました。 キカクブ「副社長」みやはなさん:私もSNSをあまりやっていなかったので、まずは「SNSの普通」を知ることから始めました。他の高校や企業のTikTokをたくさんリサーチして分析してまとめる作業をしている時期はつらかったです。今は楽しくやっていますけど、マーケティングの勉強の一環だったとは言え、「また分析か……しんどいな」と思っていました。 ――「部長」「副部長」ではなく「社長」「副社長」なんですね。 リコ☆ピンさん:顧問の先生から「学校の広報をする上で、何となく動画を撮って投稿するのではなく、『仕事』の責務も含めて活動を捉えてほしい」と要望が出て、それなら部長じゃなくて社長のほうがしっくりくるなと思って、「社長」という肩書きをつけています。

生徒たちがトライ&エラーを繰り返し、フォロワー数を伸ばす

撮影手法レクチャーの様子

スマホを使った撮影手法レクチャーの様子

――最初はどんな手法で投稿したんですか? リコ☆ピンさん:最初は「100日連続投稿」を目標に掲げて、部活紹介、先生紹介など連日のように女子商の特徴を紹介していました。28本目で「女子商の校則を一問一答形式で紹介する」動画を上げたときに「もっと校則を詳しく知りたい」というコメントが来て、コメントに答える形で翌日は「校則質問コーナー」という動画を作りました。 ここから少しずつフォロワーが伸びて、翌年の春休み中にフォロワーが1万人を突破しました。まさか半年で1万人を超えると思っていなかったので、嬉しさと同時に驚きもありましたね。 ――動画を作る上で意識していることを教えてください。 みやはなさん:撮影時に生徒や先生が緊張しすぎないように心がけています。「素の女子商」をユーザーには見てもらいたいので、楽しい雰囲気で撮影できるように努めています。楽しそうな雰囲気で撮影すると、OKテイクも早く取れるし、再生数も伸びる傾向にあります。 リコ☆ピンさん:撮影するときはカメラの性能が良いスマホを使って、画角や画質も重視しています。TikTokは最初の1〜2秒で「おっ? なんか面白そう」と思ってもらえないと動画を見てくれません。「つかみ」は特に意識していますね。  * * *  キカクブの生徒たちと話していると、SNSを駆使したデジタルマーケティングのビジネスパーソンと話しているような気分で、すぐにでも企業のSNSマーケターとして仕事ができるスキルを持ち合わせていると感じた。  2024年の春までには「フォロワー5万人」を目標にしているキカクブの今後に注目したい。 <取材・文/木村公洋>
コラムニスト・ライター。1978年生まれ。NSC東京作家コース出身。2006年から2020年まで放送作家として活動。キー局のテレビ・ラジオ番組の報道・情報番組を主に担当。2020年秋に東京から福岡へ移住。福岡・九州情報の発信に努めている。X(旧Twitter):@uraihiro
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