「周りの声なんてどうでもいい」50歳で東京から九州へ。お笑いコンビ・ダイノジが見つけた“幸せの定義”
人気お笑いコンビ「ダイノジ(大地洋輔、大谷ノブ彦)」が2023年春から、活動拠点を東京から九州に移し、東京よしもとから福岡よしもと所属になった。芸歴29年、大分出身の同級生コンビが50歳になって下した決断だ。
拠点を移してからも九州だけにとどまらず、全国各地を飛び回って活動をしているダイノジ。周囲からは「都落ちでは」との声も聞こえてくるが、2人は「拠点を福岡に移してから、人生が楽しくて仕方ない」と全く意に介さない。
10代の頃は「地元の大分が嫌で仕方がなかった。一日でも早く離れて、東京で勝負したかった」と話す2人が、50歳になってなぜ地元の九州に拠点を移したのか。2人に現在の心境を語ってもらった。
――拠点を移す構想はいつ頃から考えていたんですか?
大谷:ここ数年は九州でも仕事をしていたので、拠点を移す考えは数年前からあったんですけど、本格的に考え始めたのはコロナ禍になってから。僕はコロナにかかるなど体調を崩すことが増えてしまったんです。
僕の周りの同級生からも体調を崩しがちになっているという話を聞くようになって、「もう50歳になるし、元気に仕事できるのはあと10年くらいなんじゃないか?」と思ったんです。それならお世話になった九州に戻って僕たちなりに恩返しをしよう」と大地さんに話を切り出しました。
――大地さんは大谷さんからの話を受けてどう思ったんですか?
大地:彼が言うなら「そのタイミングが来たんだな」と思い、すぐにOKをしました。僕も50歳を迎え、若い頃よりも体力もなくなっている実感があったし、コロナ禍になって僕らが東京でできる仕事にも限界があるなと思っていた。
加えて母親が大分で一人暮しをしているので、ちょっとでも母親との距離が縮まるなら東京を離れて九州に拠点があるほうが良いとも思ったんです。だから反対は一切しませんでした。
――家族の反応はどうでしたか?
大地:この数年は東京以外で仕事をする時間が多かったので、妻は「九州に拠点を移してさらに良い仕事ができるのなら」と理解を示してくれました。14歳の娘も「いいんじゃない」って。妻が「パパは外で頑張っているんだよ」と日頃から娘に言ってくれていたようです。家族は東京に残して、単身赴任のような形を取って福岡の友人の家に居候しています。
――家族で揃って福岡には移住しなかったんですね。
大地:娘の学校もあるし、なにより妻が東京が好きなので、「福岡に行く気はない」と言い切られました(笑)。「家族と一緒じゃなくて寂しくないのか?」と言われますけど、東京と福岡はそこまで遠い距離でもないし、いまはLINEがあるから、いくらでも連絡が取れますしね。逆にちょっと離れているほうが、家族と会ったときにめちゃくちゃ仲良く喋ります。娘とも仲良しですよ。
地元・九州に恩返しするため、拠点を東京から福岡へ
東京から九州へ「そのタイミングが来たんだな」
コラムニスト・ライター。1978年生まれ。NSC東京作家コース出身。2006年から2020年まで放送作家として活動。キー局のテレビ・ラジオ番組の報道・情報番組を主に担当。2020年秋に東京から福岡へ移住。福岡・九州情報の発信に努めている。X(旧Twitter):@uraihiro
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