仕事

一日17時間拘束で休みゼロ…美容師の“超絶ブラック”環境。半数以上が3年もたない

入社から半年でスタイリストデビューの道も!?

美容師 続いて、若手スタイリストの声に耳を傾けてみよう。佐々木さんと同じ美容室に所属するスタイリスト歴3年の上山さん(仮名・20代)は、美容学校卒業後に新卒で別の美容室に就職したが、約2か月で辞めたそうだ。 「働いていたサロンが嫌とか、美容師の仕事自体が嫌だったというわけではなく、単に自分自身が社会人としてのマインドに持っていけてなかったんです。入社前からシャンプーの練習をして、入社後もひたすらシャンプーや雑務。この生活があと3年も続いて、やっとスタイリストになれるのかぁ……と考えたときに、耐えられないなと思いました」  退職後の数か月間は派遣などの仕事を経験して、やっぱり美容師の仕事をしたいと一念発起し、中途採用の求人を探した。条件は、「実戦経験をたくさん積めて、スタイリストデビューが早い店」だ。

「自分を指名してくれるお客がいて嬉しい」

 無事採用され、入社後半年間みっちり講習を受けるが、月に数回は店舗に出て清掃などの雑務やスタイリストのサポートを行う日が設けられている。ちなみに、トレーニング期間中も給料は支給されるという。 「基礎講習のほか、カットやカラーのモデルさんを予約アプリで募って、実際の営業に近いかたちで1日に4〜5名立て続けに施術することもありました。空いた時間はウィッグを使って自主練もできるし、本当に半年間で数年分の濃い経験をさせてもらった感じです」  上山さんは、店に配属された当初は正社員登用で給料は固定給制だったが、指名客が安定してつくようになってから、歩合制に切り替えたそうだ。フリーランスは労働基準法の適用除外となるため、正社員よりもシフトの融通がききやすいという。 「稼ぎたいときはシフトの時間をのばしたりしますし、逆に、体調が悪い日は、早くあがらせてもらうことも。いい環境でスタイリストとして働かせてもらえてありがたいし、自分を指名してくださるお客様がいるというのが嬉しい。働いたぶんだけ数字(歩合)として表れるのがモチベーションにつながっています」  技術を身につけ早々にスタイリストデビューして活躍する上山さんはなんとも頼もしいが、他店に就職した美容専門学校時代の同期は、スタイリストデビューできているのだろうか。
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デビューできるかは個人のセンス次第?
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