近年、豪雨被害が目立つように、日本の自然災害の発生件数は上昇傾向にある。災害時、女性は「弱者」といわれるが、中高年男性には意外なリスクが潜んでいた。地震、台風、洪水……想定外のリスクを回避する術を伝授！ 日本人の8割が経験するというミッドライフ・クライシスは、災害をきっかけに陥る人もいるという。しっかりと対策をして“思春期おじさん”への変貌を防ごう。 「本当のオレって何だ？」 そんな自問自答で思い悩むのは、思春期特有の“症状”だと思うかもしれない。だが、大きな災害をきっかけに、中高年男性が「自分探し」に陥ってしまうリスクがあるという。 ボランティアとして多くの被災地を目にしてきた医師の鎌田實氏が警鐘を鳴らす。 「日本人の8割が経験するミッドライフ・クライシスは、早いと30代半ばから、遅い人でも60代で発症します。うつのような症状を思い浮かべるかもしれませんが、思春期のような自己探求を始める人も意外に多い。数年間引きずることも多く、成功者に見える人でも発症する。なかには再就職先を決めずに突然退職する人もいるほどです。災害などで環境が大きく変わるとき、それまで気づかずにいたしんどさが爆発し、重くのしかかって発症することも多い」