更新日:2023年07月13日 14:59
エンタメ

2023年夏ドラマ15本を総ざらい。恋愛、職業、人間…ジャンル別に見れば世相がわかる

<ミステリー&サスペンス>平和なはずの地方都市で…

 ミステリーとサスペンスは2本ずつで計4本ある。
ハヤブサ消防団

『ハヤブサ消防団』番組公式HPより

『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日、木曜午後9時、13日から)主演・中村倫也(36) 『ブラックポストマン』(テレビ東京、金曜午後8時、8月18日から)主演・田中圭(39) 『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ、土曜午後10時、15日から) 主演・松岡茉優(28) 『CODE-償いの代償-』(日本テレビ、制作・読売テレビ、日曜午後10時半、2日から)主演・坂口健太郎(31) 『ハヤブサ消防団』で中村が演じるのは三馬太郎。売れないミステリー作家だ。太郎は東京から地方のハヤブサ地区に移り住み、誘われて消防団に入る。太郎はハヤブサ地区を長閑で平和だと思っていたが、放火と思しき連続不審火が発生する。さらに住民がナゾの失踪を遂げる。同地区に何が起きているのか。 『最高の教師』は松岡演じる高校教師の九条里奈が卒業式の直後に生徒の誰かによって校舎の階上から突き落とされる。  死の直前、九条は1年前の教室にタイムスリップ。自分が担任を務める3年D組だ。九条は再び突き落とされることがないよう、以前とは生徒との向き合い方をあらため、正しい教師像を模索する。芦田愛菜(19)がD組のキーパーソンになる。 『ブラックポストマン』での田中の役柄は郵便配達人・副島力也。警察が手を出せない悪党に制裁を加える裏の顔がある。 『CODE』はクライムサスペンス。坂口は暴力団対策課の刑事・二宮湊人を演じている。物語の冒頭、二宮の子を宿した恋人の鑑識課員・七海悠香(臼田あさ美)が何者かに殺された。犯人を追い始めた二宮は何でも願いをかなえてくれる謎のアプリ「CODE」を手に入れる。 「CODE」とは何か。その正体を暴こうとしているのがフリーの雑誌記者・椎名一樹(染谷将太)で、二宮とともに物語の中心人物となっている。

<人間ドラマ>主役は書道家、王道の青春物語

 人間ドラマは2作。 『ばらかもん』(フジテレビ、水曜午後10時、12日から)主演・杉野遙亮(27) 『この素晴らしき世界』(フジテレビ、木曜午後10時、20日から)主演・若村麻由美(56) 『ばらかもん』は若者の成長をストレートに描く。杉野は若き書道家・半田清舟に扮する。  都会で暮らしていた清舟は長崎県五島列島に移り住む。そこで出会った人たちとの濃厚な交流により、書道家として、人間として大きくなっていく。新天地での暮らしと新たな出会いが若者を成長させる。まるで五木寛之氏(90)の『青春の門』のような王道の青春物語である。 『この素晴らしき世界』は体調不良で降板した鈴木京香(55)から若村に主演が交代したが、不安は全くないと言い切れる。若村は仲代達矢(90)の「無名塾」の生んだエースの1人。並み外れた演技力を持つ。
ばらかもん

『ばらかもん』番組公式HPより

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脚本家・野島伸司のオリジナル作品
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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