仕事

“飽和状態”のホームセンター業界。勝ち抜く条件は「専門性」か

「フランチャイズ加盟」で事業ポートフォリオを強固に

 栃木県を中心にホームセンターを出店するカンセキも、巧みな戦略を築いた会社の一つ。2023年2月期のホームセンター事業の売上高は、前期比9.2%減の163億700万円でした。2021年2月期の191億2,800万円と比較すると、14.8%も減少しています。屋台骨のホームセンター事業は苦戦しています。  業績悪化の食い止めに貢献しているのが、アウトドアショップ「WILD-1」や「業務スーパー」、「オフハウス」などの専門店。カンセキは1984年に「WILD-1」の1号店を出店し、関西や東海へと出店エリアを少しずつ広げています。1999年にインテリアの中古品を扱う「オフハウス」、2003年に「業務スーパー」とフランチャイズ契約を結びました。  アウトドアブームで「WILD-1」の2022年2月期の売上高は1.2%増の138億800万円となりました。
カンセキ・WILD-1・専門店の業績推移

カンセキ・WILD-1・専門店の業績推移 ※決算説明資料より

 2023年2月期はホームセンター、「WILD-1」が減収となるものの、専門店が増収となりました。カンセキは事業ポートフォリオを強固なものとすることで、生き残る力を高めました。  マーケットの激しい奪い合いにより、ホームセンターの真価が問われる時代になっています。 <TEXT/不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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