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マックとモスで分かれた明暗。ポイントは「400円の壁」と「原価率」

 中小企業コンサルタントの不破聡と申します。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、「有名企業の知られざる一面」を掘り下げてお伝えしていきます。 「モスバーガー」を運営するモスフードサービスが苦戦しています。2023年3月期は営業利益が前期比98.8%も減少して4100万円となり、3億1700万円の純損失(前年同期は34億1900万円の純利益)を計上しました。  売上高は8.4%増加しています。モスバーガーは営業減益となった理由に、仕入価格や人件費の高騰を挙げています。その横で快走を続けているのがマクドナルド。2社の違いはどこにあるのでしょうか。
モスバーガー

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値上げを決行した両社。なぜ業績に差が?

 マクドナルドの2022年12月期の営業利益は前期比2.1%の減少に留まりました。マクドナルドはコスト高に見舞われたものの、ビジネスを健全に成長させるため、一部商品の価格改定を行ったと説明しています。マクドナルドは2022年に2度の値上げを行いました。2023年に入っても強気の値上げを続けています。  片やモスバーガーは2022年7月に値上げをしました。2023年3月にも値上げを行っています。2社の業績に大きな差が生じている主要因が、値上げ耐性の有無と原価構造にあると考えられます。  値上げ耐性から先に説明していきましょう。

消費者が妥協できる「400円の壁」

 マーケティングリサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した、興味深い調査があります。全国20歳~69歳の男女を対象とした「価格に関する調査(2023年)」で、ハンバーガーの妥当な価格について調査しています。  これによると、ハンバーガーの最適価格は307円。妥協価格は400円。この金額程度であれば、買ってもよいと感じる価格です。モスバーガーの主力商品「モスバーガー」は2022年の値上げ前は390円でしたが、2023年3月の値上げで440円となりました。妥協価格を超えています。  マクドナルドの売れ筋商品の一つ「ダブルチーズバーガー」は400円。ギリギリで妥協価格の範囲内に留まっています。「てりやきマックバーガー」は370円。マクドナルドは度重なる値上げを行いましたが、もともと価格が安かったため、値上げする余地がありました。
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値上げのタイミングで客数が減少…
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