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息子や娘を「毒きょうだい化」させない夫婦関係とは?崩壊した家庭には共通点があった

「見捨てたら無差別殺人を起こす」と親を脅し…

多発する[毒きょうだい]トラブル「社会復帰しようと努力している人なら問題はありませんが、家族にたかることに長け、それを既得権と考えている者も少なくありません。 『見捨てたら無差別殺人を起こす』と親を脅し、姉妹には『俺のために風俗で働け』などと迫るケースは枚挙にいとまがない。まさに“毒”であり、傷害事件として扱われるべきです」  ’02年の開設以来、独自の手法を用いて引きこもり当人とその家族を救済してきた「日本駆け込み寺」の天野将典役員理事はこのように話す。

専門家による「引きこもり」更生プロセスとは?

多発する[毒きょうだい]トラブル 天野氏はまず、当人ではなく親を団体所有のシェルターにかくまい、住民票や郵便物の届け先も団体の事務所に移すよう手配する。  その後、縁もゆかりもない他者にその自宅の土地・家屋を売却する。当然、事前に親の本気度を確認するという。 「親がどれだけ真剣かによって、成否が決まります。途中で下手な親心を出して自宅に戻ってしまっては、元も子もありませんから」  食事を作ってくれる親もおらず、インフラも止まり、家を出ざるを得なくなった引きこもりは「親をどこにやった」と事務所に乗り込んでくるが、説得するとひとまず殊勝な態度をとる。  だが、更生のプロセスはそこから始まる。 「本当に病気かもしれない場合は精神科医や社会福祉士を紹介、役所に同行し生活保護の手続きを自分でさせます」  “荒療治”が奏功し、社会復帰まで持ち込めるのは「30%程度」だというが、やはりこうした専門家の介入と親からの自立は不可欠なのだろう。
多発する[毒きょうだい]トラブル

信田さよ子氏『共依存――苦しいけれど、離れられない』

【信田さよ子氏】 臨床心理士、日本公認心理師協会会長。1970年代より現職。『共依存――苦しいけれど、離れられない』(朝日文庫)など著書多数。
多発する[毒きょうだい]トラブル

天野将典氏

【天野将典氏】 ’22年6月、公益社団法人日本駆け込み寺役員理事に就任。DV、借金、家出、いじめ、貧困、ストーカー被害などさまざまな悩み相談に応えている。 取材・文/週刊SPA!編集部
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