仕事

「対応するまで帰らせない」取引先のカスハラ社員の顔色を一変させた“逆クレーム”

 店や企業に対して、“顧客”という立場を利用しながら理不尽なクレームをつけたり、無理難題を押し付けたりするカスタマーハラスメント(以降、カスハラ)。その多くは客や消費者によるものだが、企業間で取引先の担当者が“契約打ち切り”などをチラつかせ、カスハラまがいの態度で無茶を要求してくるケースも……。
カスハラ

※写真はイメージです。以下同

 今回は、取引先の態度に困惑したという2つのエピソードを紹介する。

明らかに見下した発言「学生だから暇でしょ?」

 吉田ミレさん(仮名・20代)は、アメリカの大学に在籍しながら、友人5人と起業した。 「当時は学生でしたが、私を含めた日本人2名とアメリカ人2名、インド人1名でIT関係のビジネスをしていました。私の担当は、日本のクライアントへの営業でした。ある日、いつもお世話になっている方から『話を聞いてみたいという知人がいる』との相談をいただいたんです」  そして紹介された相手と後日打ち合わせを行うことになったというが……。 「やり取りを始めると、私はすぐに違和感を抱きました。メールでメッセージを送るも、先方からの返信は基本2~3日後……。にもかかわらず、こちらからのレスが滞ると『連絡を返すのが遅い!』と一方的にキレる人だったんです」

契約を白紙に

黒背景で怒って電話する男性ビジネスマン 吉田さんは素直に謝罪した。しかし、あり得ない言葉が続くことになる。 「相手から『学生なんだから、どうせ暇でしょ?』とか『社会を舐めすぎ』などと暴言を吐かれる始末で。当時、私は27歳だったのですが『いい年して、まだ学生やってるの?』とバカにされました。しかも、予定していた打ち合わせは先方側の急な予定で中止に。作業は進んでいましたが、契約を白紙に戻すことにしました」  終始高圧的な態度にア然。メンバーと相談したところ、契約してもトラブルに発展する可能性が高いのではないかと、そのような結論に至ったという。  その後、取引先からの連絡は一切なかった。吉田さんは「クライアントにもいろいろな人がいるんだなぁ」と勉強になったと振り返る。  そして半年後、予想外の再会を果たすことになった。 「これまでお取引をさせていただいたクライアントとの“オフ会”が開催されることになりました。その日に合わせて友人と帰国し、お話しする機会を得たのですが……」
次のページ
クライアントとまさかの対面
1
2
3
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ