仕事

「要求通りにしないと他社に切り替えを検討する」取引先のカスハラを“謝罪”に一転させた意外な出来事

公衆の面前で怒鳴られてトラウマに…

イベント・展示会 イベント終了後、やっと田中さんが事前にマネージャーづてに取材申込みをしていたことが伝わったそうだ。ただ、イベントの集客に直結するタレントのマネージャーにはお咎めなし。田中さんが一方的に怒られるはめに。 「Bとその同僚と思われる人物が、明らかに不機嫌な様子で私の元に向かってきました。そして、大勢の前で思いっきり怒鳴られたんです。突然の出来事に、周りの人たちは驚いていたと思います。クライアントだからといって、もう悔しくて涙が止まりませんでした」  取材はなんとか終了したのだが、田中さんはそれ以来、トラウマになってしまったという。 「Bの会社からは、その後も『今度イベントがあるので記事にしてください』と依頼がありました。しかし、私の気持ちとしては、あれだけの恥をかかされたことで“これ以上は関わりたくない”という思いが残っていました」

自分も悪かったと反省しているけど…

 その後、業界自体にはブームが訪れた。田中さんのメディアも景気が良くなり、取材で取り上げられたい企業も増えていったというが、一方でBの会社は徐々に弱小化したようだ。 「立場が逆転したというか。私はBの会社の情報はあまり取り上げませんでした。そのことで、Bの会社の業績に少なくとも影響を与えていたと思います」  とはいえ、振り返ってみれば、田中さんは「自分が悪かった」と思っていると話す。そもそも取材に関して、クライアントであるイベント会社の広報担当者(B)に対して正式な手続きで伝えておくべきだったからだ。  ただし、イベント中の一般客もいる、公衆の面前で罵声を浴びせられたことについては、今でもカスハラだったのではないかと……。あれから約20年、現在もその会社とは取引が続いているというが、田中さんを怒鳴りつけたBはもう辞めてしまっているそうだ。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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