恋愛・結婚

33歳で“初めての彼女”ができた男性が歩んだ苦難の人生。「自殺することも考えた」

「男女共同参画白書」(令和4年版)によると、30代男性の34.1%が「女性とデートしたことがない」と答えたという。「自分に自信が持てない」「恋愛に興味がない」など、その理由は様々だが、奥田亮さん(仮名・34歳)は複雑な家庭環境で育ったゆえ、恋愛感情に対してうまく向き合うことができなかったそうだ。
落ち込む男性

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母が脳梗塞で倒れ、歯車が狂いだす

「恋人と仲良さそうにしている人間を見ると、正直、うらやましかったです。それと同時に、『母がああなっていなければ……』と思ってしまうこともあって、そんなことを考えている自分にもがっかりする日々でした」  お母さんは、彼が11歳の時に脳梗塞で倒れている。 「営業の仕事をバリバリこなすカッコ良い母だったんですが、倒れてからは、仕事をできる状態ではなくなり、介護が必要な状態になりました」  それでも、当初は家族で支えることができていた。 「状況が変わったのは、中学生の頃でした。父が仕事を理由に、あまり家に帰ってこなくなったんです。高校に上がる頃には、完全に帰ってこなくなりましたね」

たった一人で母の世話をすることに

 父とは連絡も取れなくなり、母の世話は奥田さんが一人で担うことになった。 「父はお金も家に入れなくなりました。それでも母の実家から仕送りを受けていたので、なんとか高校に通うこともできていました。でも、途中からはそれも難しくなりました。母が若年生認知症を発症したんです」  だんだんと会話もままならなくなり、母親は不意にわけのわからないことを叫び、怒鳴り散らすようになった。それからは、つきっきりで介護することになったという。 「精神状態の波がかなり激しくて、嵐のように怒鳴り散らす時もあれば、以前の母らしさを取り戻したように優しくなる時もありましたので、どんな状態でも心を一定に保つよう努めていました
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母の死で「生きる意味がなくなってしまった」
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込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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