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『サンデーモーニング』を“降板”して音声配信者に。橋谷能理子「ホームに戻ってきた感覚」

大変だった「育児とアナウンサーの両立」

――アナウンサーという仕事の大変さはどこにありますか? 橋谷:過去にはなってしまいますが、女性という点で言わせていただくと、育児とアナウンサーの両立ですかね。私が育児をしていたときは、今と比べて、女性が仕事をしながら育児をするのが難しい時代だったんです。特にアナウンサーという職務との両立は本当に大変でした。親や友人に本当に助けてもらい、乗り切れた感じですね。 ――テレビという業種は激務のイメージが付きまといますが、働き方改革がされた今でもそれは変わらないですか? 橋谷:一応、制度などがしっかりと整備されてはいますが、現場は制度通りに動いていては成り立たないので、いまだに激務な面も多いと思います。例えば、『サンデーモーニング』の場合は、土曜日のスタッフは絶対徹夜で作業をしていましたね。

『サンデーモーニング』を「降板」したワケ

橋谷能理子――長年キャスターを務められた『サンデーモーニング』を辞められましたが、辞めることを発表された際に、橋谷さんから「降板」という言葉で番組の最後の挨拶を締められていたことが印象的でした。「伝え方」を大事にする橋谷さんだからこそ選択された言葉かと思いますが、どんな意図があったのでしょうか? 橋谷:特に、そこまで複雑に考えた上ではなく使った言葉です。よく、このようなシーンでは「卒業」という言葉を使うと思うのですが、その言葉にとても違和感を持っていたんですね。なんで、学校でもないのに卒業と言うんだろうと。  まず前提として、今回、私の意思で番組を辞めたわけではなく、局と番組の方針で辞めることになりました。なので「卒業」はそもそも相応しくないな、と思っていたんです。  野球の投手でも「途中降板」という言葉を使いますよね。そういう経緯があり、「降板」という言葉を選ばせてもらいました。ネットニュースなどで、少し話題に上がってしまいましたが、私として考えた中で適切な言葉を使わせていただいた結果ですね。
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配信者として、キャスターとして
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