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「殺すぞ」母に包丁を向けられて…壮絶な家庭環境下で“東大合格”した女性を直撃

東大入学後に家出を決意、そのワケは?

東大 ですが、母の束縛は終わるどころか、より一層激しさを増しました。 「東大に受かってからは、なかば軟禁状態でした。周りの同級生たちが遊んでいるのを見ていて、私も遊びたくなったのですが、もちろん泊まりで遊びに行くなんて不可。それどころか、授業すらも『遅い時間の授業だと帰りが遅くなるから』という理由で、履修も制限されていました。家に帰ってからはもちろん常に勉強していないと怒られましたし、スマホだって部屋に持ち込ませてもらえませんでした」  友人たちと同じように遊びたいのに、遊びに行けない。彼女の使うスマートフォンのGPS機能から現在の場所が母親にバレてしまうため、母に秘密で遠出することも不可能だったといいます。  そんな彼女が我慢の限界に達したのは、一年生の秋のことでした。 「ちょうどそのころ、親戚に不幸があったんです。母も精神的に不安定になっているようで、そのしわ寄せはもちろん私の方に向かってきました。ある日、いつものことでしたが『殺すぞ』と脅されたんです。普段から言われていることではあったんですが、『このままだといつか本当に殺される』と思って、家出を決意したんです」  東大に通う学友たちの援助もあり、なんとか家出を成功させた柊さん。今は自由な生活を満喫しているといいます。

1日12時間、勉強を強制させられた

 高校時代、家ではどのような生活を送っていたのでしょうか。 「親が勝手に問題集を買ってきて、机の上に置いてあるんです。時折、勝手に部屋に入られて問題集を解いているかチェックされていたんですが、ちゃんと進めていないと怒鳴られました。スマホも勝手に見られていましたし、ずっと監視されているようでした。朝は5時起き、夜は22時就寝というルールで、1日12時間近くは強制的に勉強させられていました」  もちろんそのように強制するだけではやる気が起こるはずもなく、机に向かわされる時間の大半は小説やマンガを読んで暇をつぶしていたという柊さん。小説やマンガは娯楽に当たるため、「家庭内持ち込み禁止物」となっていましたが、高校時代の同級生からこっそり借りるなどして読んでいたそうです。  柊さんの母は勉強に関して過保護であったようですが、彼女は元から天才肌でした。いったい、どのような勉強をしていたのでしょうか。 「英語の勉強法ですが、ノートの左側に英文を書いて、右側にその和訳を書いていくんです。そうして、右側の和訳だけを見て、左側の英文を再現できるようにします。一言一句同じ英文を再現することができたら合格、というルールでやっていました。このやり方だと、英文をフレーズ単位で覚えることができるので、単語や熟語を覚えようとしなくても、暗記することができるんです。いちいち単語を覚えるよりも応用も効きますし、大変おすすめです」  家出してから一転して自由な生活を送っているという柊さん。これからはどのような人生を送りたいか最後に聞いてみました。 「今の生活は、本当に自由で楽しいです。スマホゲームが自由にできるようになりましたし、好きな時に音楽だって聴けます。自分の好きな時に好きなことができるなんて、家出するまでは考えもしませんでした。これからは、自分で色々なことを選択していきたいと思っています。進路ももちろんそうですし、自分の欲しいもの、行きたい場所、色々なことについて自分の判断で決めていきたいんです。誰かに強制されるのではなく、自分の人生を自分で選びとるという経験ができることが嬉しいからです」  柊さんの今後の人生が、実りあるものになることを祈っています。 【もっと詳しい柊さんのインタビューを読む】⇒「“家出少女東大生”に聞く「自由に生きる」ことの喜びとは?」はこちらへ
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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