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注目の馬券術「ジョッキーエフェクト」。‟穴をあける騎手”とキーンランドCの注目馬を公開

キーンランドCは重馬場で狙える“意外な”騎手を

 最後に、27日に行われるキーンランドカップの注目馬について教えてもらいました。 ——では、キーンランドカップの注目馬はいかがでしょうか。 たいしん:今週末の札幌競馬場は雨予報。開催終盤の荒れた芝が水分を含めば、相当タフな馬場に仕上がるでしょう。騎手が内を空けるレースも視野に入れたいところ。それこそ昨年は、ルメール騎手が内空け馬場の距離ロスを逆手に取った内差しで、勝ち馬ヴェントヴォーチェを華麗にエスコートしてみせました。  しかし、今年は内を空けるレースで最も頼りになるルメール騎手が不在、全体の騎手レベルも決して高いとは言えません。騎手の進路取りに信頼を置けないため、別の要素にフォーカスして考える必要があります。前述したように、札幌芝は荒れており最悪雨が降らなくても、負荷の大きい馬場であることは間違いありません。ジョッキーエフェクトの観点から申しますと、キーンランドCは「重馬場が得意な騎手を狙う」が現段階で最適解と判断します。

注目はあのレジェンドジョッキー

たいしん:重馬場が得意な騎手といえば、和田竜二騎手や内田博幸騎手のようなしぶとく追えるタイプのジョッキーがイメージされやすいですが、フィジカルの強さは絶対条件ではありません。それを証明してくれているのが武豊騎手です。レジェンドジョッキーの特筆すべき点は、自身の体力に合わせて乗り方をシフトしているということ。もっと具体的に説明すると、現在の武豊騎手は馬の余力を残すことに特化して騎乗していると分析します。  重馬場レースでは全馬が脚を酷く消耗し、逃げ・先行馬が位置取りの差だけで残せてしまうことが少なくないのですが、武豊騎手だけは差し届く、なんてケースをよく目にします。今年のアーリントンC(重)を制したオオバンブルマイ、2021年中山牝馬S(不良)の勝ち馬ランブリングアレーなどが好例です。どちらも2、3着は4角3番以内を通過した馬でした。いくら能力や馬場適性が高くとも、脚が溜まっていなければ、上がりの掛かる馬場で前残りの展開を差し切るのは不可能です。  この適応能力の高さが、キャリア37年を迎えてなお活躍し続けられる理由であり、フィジカルに頼らないからこそ、重馬場で真価を発揮するわけです。ついつい熱く語り過ぎましたが(笑)、キーンランドCは武豊騎手が騎乗する10ゾンニッヒを注目馬として推奨いたします。 取材・文/松山崇
馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
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