仕事

“北海道の限界集落”にあるゲストハウス。周りに何もないのに「年間売上は1000万円超」オフシーズンも予約が埋まるワケ

移住途中、妻の口から出た衝撃の一言

imacoco

冬の日本海は荒々しい

――なんと!それは思い切った決断でしたね。 外崎:当時、僕はまだ一度も奥尻島に行ったことがなかったので、父親と2人で現地を下見に行きました。2017年11月のことです。寒い季節で、木の葉っぱは落ち、海の波は荒く、「寂しい場所だな」というのが第一印象でした。でも、決断は揺るぎませんでした。帰宅した後、全力で奥尻島の良さをプレゼンして、妻の同意を得ました。  妻と2人の子どもを連れてフェリーに乗って移住先の地に向かう途中、船内で妻がこう呟いたんです。「そういえば、奥尻島ってどこにあるの?」と。それを聞いて「今さら、そんなこと聞くの!?」と驚くとともに、絶大な信頼を寄せられているのを感じました。

人口衰退の奥尻島でも「何とかやっていける」

imacoco

2018年1月、奥尻島への移住に向かう外崎ファミリー

――日本創成会議による消滅可能性自治体ランキング(2014年)によると、奥尻島は北海道ワースト1位、全国でも4位と、人口衰退が著しい状況です。そんな奥尻島に移住することに不安はなかったですか。 外崎:正直、移住してからのことをあまり考えていなくて(笑)。自治体として消滅する可能性があるということも、移住してから知ったぐらい。どこでやっても、何とかやっていけるだろうという自信はありました。 ――開業資金はどれくらいですか。 外崎:開業資金は400万円です。国境離島補助金を活用し、アクティビティ用にSUP(サップ)や自転車などを購入しました。当初は島に体験アクティビティがなかったので、「こういうアクティビティがあったら楽しいんじゃないか」と想像ながら、SUPやカヌーに乗って海を探検しながら企画しました。僕自身は、泳げないんですけどね(笑)。 ――どうやって島民とコネクションを築いたのでしょうか。 外崎:移住者は目立つので、島民の方々は僕たち家族のことを知ってくれている。なので、僕から積極的に話しかけるようにしました。そうすると、漁師さんたちとも知り合うことができ、どこに頼めばどんな食材が入手できるかという情報も入るようになりました。野菜はスーパーで手に入りますが、今年から家庭菜園を始めたので家族で作った野菜もゲストに提供しています。
次のページ
現金収入と自給自足のベストなバランスを探る
1
2
3
4
5
6
大阪府出身。外資系金融機関で広報業務に従事した後に、フリーのライター・編集者として独立。マネー分野を得意としながらも、ライフやエンタメなど幅広く執筆中。ファイナンシャルプランナー(AFP)。X(旧Twitter):@COstyle

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ