ビジネスでも使える大人のスニーカー選び。まちがってはいけない“ポイント”とは
こんにちは、シューフィッターこまつです。靴の設計、リペア、フィッティングの経験と知識を生かし、革靴からスニーカーまで、知られざる靴のイロハをみなさまにお伝えしていこうと思います。
ビジネスシーンでのスニーカー選びには、鉄則が一つだけあります。それは、革靴に寄せることです。まずは、素材。こちらはオールレザーを選びましょう。当たり前のように聞こえますが、スニーカーでありながら、革であることはとても重要です。メッシュなどの合繊や布が入っていると、それは通気性を考慮した運動靴に見えてしまうので、オフィスには不向きです。
次に、フォルム。スニーカーの形はしていても、フォルムそのものは革靴に近いものを選びましょう。例えば、ソールが薄いもの。全体のボリューム感が少なく、すっきりしていることです。厚底のソールは論外です。
よくわからないという方は、スポーツメーカーではなく、革靴メーカーのスニーカーから選ぶといいでしょう。こちらは、「リーガル」の牛革を使ったレースアップレザースニーカー「58ELAG」。レトロな雰囲気のシンプルなスニーカーですが、ハイテク感は一切なく、ジャケットスタイルはもちろん、パンツがカジュアルであっても足元をドレスライクに引き締めてくれます。
大手の百貨店の靴売り場に行けば、必ず革靴の棚の隣に、ビジネス用のスニーカーが置かれているので、そこから選んでもいいでしょう。完全にレザースニーカーに特化した大阪のbrightway(ブライトウェイ)は高品質の割に良心的な価格で、じわじわと人気が出始めています。パーツから製造まですべて国内生産にこだわり、すべてのモデルが10年たっても履けるように責任をもって修理までしてくれます。
「10年後も愛せる1足を」がコンセプトなので、革も底材もとことん吟味されていて、履けば履くほどその人だけの1足ができあがっていく。これはまさに革靴の理想でしょう。10年以上履けると考えればコスパは抜群です。
長く履けるスニーカーが欲しいという方は、ブライトウェイのように「修理できるかどうか」にこだわってください。革靴であればほとんどのものが修理できる構造になっていますが、スニーカーは修理できないものが非常に多いです。なぜなら、スニーカーはそもそも履きつぶす前提の設計になっているからです。
流行に合わせて安いスニーカーを履き替えることを否定はしませんが、エコではありません。ショップの販売員でもネットのお問合せでもいいので、「このスニーカーは修理できますか?」と尋ねてみましょう。国内生産のスニーカーであれば、修理も受け付けているところもあります。「長くつきあえる一足」を探しましょう。
ビジネスシーンでスニーカーを履く流れはもう止まりません。日本では、気がついたらネクタイを外していたように、足元もオフィスカジュアル化が進み、すでに革靴を履いていない人も多いでしょう。靴メーカーも同様に、「脱・革靴」が進み、クラシックな革靴をつくっていた欧米メーカーでさえ、レザースニーカーが売れ筋となり、10万円を超える高級スニーカーも珍しくありません。
しかし、問題は、ビジネスシーンで失礼のないスニーカー選びができるかどうかです。あまりにもカジュアルであれば、それは「運動靴」であり、オフィスには向きません。スニーカー以上、革靴未満の絶妙なラインはどこにあるのでしょうか。
スニーカー以上、革靴未満の線引きはどこに?
オールレザーのブライトウェイがおすすめ
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こまつ(本名・佐藤靖青〈さとうせいしょう〉)。イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『シューフィッターこまつ 足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます。「毎日靴ブログ@こまつ」
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