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堀田真由25歳「ホンネを明かすのは怖かった」自分をさらけ出して得た気づき

 昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で、主人公・北条義時の二番目の妻・比奈を好演したのも記憶に新しい堀田真由さん(25)。今年はスペシャル、短編を含めドラマ6本に出演し、映画も9月に2本が公開中と絶好調。そのうち1本で主演を務める映画『バカ塗りの娘』が現在公開中だ。
堀田真由

堀田真由さん(25)

“バカ塗り”とは、漆を塗って研ぐといった工程を繰り返して作られる津軽塗を、親しみを込めて指す言葉である。そんな“バカ塗り”の職人を目指す女性・美也子を演じ、実際に津軽塗に挑戦した堀田さんに話を聞いた。

漆塗りの作業で職人の父と対話した

バカ塗りの娘

(C) 2023「バカ塗りの娘」製作委員会

――今は映画やドラマを1.5倍速や2倍速で観る人もいますが、本作は、ゆっくりとした時間の流れに浸りたい気分になりました。 堀田真由(以下、堀田):そうですね。最初に脚本を読ませていただいたとき、津軽塗の工程だけで何ページもあったりして、それこそ1.5倍速で観たりする人も多いなか、画として間延びしたりしないだろうかと思ったりしたんです。  セリフも少ないですし、撮影中もどう届くんだろうと思いながら、津軽塗の作業も実際にやらせていただきました。でも完成した作品を観させていただいたとき、その工程のシーンが一番美しくて、ずっと観ていたい気持ちになりました。 ――まさにその工程をひたすら追った冒頭のシーンが、実に美しいです。 堀田:セリフがないので静かなんですが、隣にいる、職人の父(小林薫)と作業をしながら、対話をしているような感じがして、セリフなんていらないんだと思いました。漆を塗っている音を感じたり、漆の美しい赤を感じたり、これはぜひ大きなスクリーンで観て欲しい作品だなと感じました。

不器用なようでいて実は…

堀田真由――お話にあった通り、今回、堀田さん自身が津軽塗に挑戦されています。 堀田:48工程もあって、なかなか覚えることができなかったんですけど、今回はまだ職人ではなく、見習いという役でした。父の作業を見ながら成長していくので、まだ大丈夫でした。ただ、やりながらすごく楽しくて、朝から夜まで同じ工房でずっとやっていたら、うまくなっていって逆にダメでした(笑)。 ――それはすごい。手先が器用なんですか? 堀田:いえ、不器用です。手作業とか手芸とか、家庭科がすごく苦手でした。おばあちゃんやお母さんはすごく得意なので、ずっと見てきたんですけど、私はできなくて。でも自分なりの方法を見つけ出すことは得意というか。昔から習い事もたくさんやらせてもらって、不器用なりに努力しているうちに、いつもそれなりのスタートラインに立てるようになっていました。
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託していただいた以上、努力したい
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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【公開情報】
映画『バカ塗りの娘』は全国公開中
(C) 2023「バカ塗りの娘」製作委員会
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