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高齢者は想像以上にウェブに強い?シニアビジネスによくある「誤解」

丁寧なチュートリアルがあっても効果がない?

シニア

写真はイメージです

 次によくある間違いは、丁寧なチュートリアルやマニュアルを作って、事前に操作ややり方を知ってもらうことだ。しかし、結局、見られず・読まれずムダになり、あなたは「なんでちゃんと見てくれないんだ!」とストレスを溜めるだけだろう。  もちろん「見て」とお願いしているものを読み飛ばして進めてしまう側も悪い。だが、若い人でも以前やったことがある・使ったことがあるサービスやゲームのチュートリアルは不要に感じるはず。それと同じで、様々な経験をしてきたシニアにとって、チュートリアルは退屈なものとなりやすく、ちゃんと見ない・見ても記憶に残らないといったケースが続出する。  チュートリアルやマニュアルが不要ということでは決してないが、「わからなくなった時点で見てもらうもの」程度に考えるべきだろう。

間違えにくさよりも復帰しやすさ?

 シニア向けのサービスを改善していく時、間違いやすい箇所を徹底的に潰して、どんどんシンプルなものにしていく人がいる。分岐を減らして、進むフローを1本道にし、ミスがあると先に進めなくして強制的に間違いをなくす。だがこれも正解ではない。  間違えにくく、使う人にやさしい設計はもちろん大切だ。しかし、それでも間違える時は間違える。それに、ウェブサイトやアプリの中だけの間違いならば、使いやすいデザインや選択肢のみで改善できるが、スマホやPCの操作を誤った場合や、いったんウェブサイトやアプリを離れた場合は、デザインや選択肢ではどうしようもない。また、あまりに自由度のないサービスの設計は、かえって利用者の離脱を招いてしまう。  シニア向けのサービスでは特に、ある程度の間違いが発生することを想定に入れ、なるべく早く間違いに気づく、そして間違いからの復帰がしやすい設計にすることが必要だ。
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どんなに快適なサービスも“結果”に繋がらなければダメ
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50代以上のシニアに特化した転職支援を提供する「シニアジョブ」代表取締役。大学在学中に仲間を募り、シニアジョブの前身となる会社を設立。2014年8月、シニアジョブ設立。当初はIT会社を設立したが、シニア転職の難しさを目の当たりにし、シニアの支援をライフワークとすることを誓う。シニアの転職・キャリアプラン、シニア採用等のテーマで連載・寄稿中

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