更新日:2023年09月23日 15:10
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藤井聡太、秒読みには「経験と直感力で対応」。居飛車vs振り飛車“頂上決戦”で見せた

投了図 118手目 後手△2三玉まで

投了図以下、▲4三龍は△同角で後手玉は詰まない。先手玉には△2八銀以下の詰めろがかかっている。詰めろを受けても、5三の龍を4三の金でポロッと取られるなど、手が続かない。

 負けはしたものの、自陣の飛車や金が狙われた瞬間に、相手の金や角の頭に歩を叩くなど、振り飛車のお手本となるような“手筋”を連発した菅井八段の将棋、解説の豊川七段が言うところの「肉を斬らせて骨を断つような菅井さんの一瞬の見切り、勝負術」が随所に見られた。本局が、現代における居飛車vs振り飛車の最高峰の戦いであることは論を待たない。振り飛車を指す将棋ファンにとっては、この二人の棋譜を並べるだけでも棋力向上に繋がることは間違いないだろう。

準決勝進出を決めた藤井聡太JT杯覇者

 勝った藤井聡太JT杯覇者は次戦、10月21日の準決勝第1局大阪大会で、永瀬拓矢王座と戦う。現在、王座戦五番勝負の舞台で戦う両者が、超早指し・公開対局の本棋戦でどんな将棋を見せてくれるのか、注目したいところだ。
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