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借金1億円から這い上がった“福岡の唐揚げ王”の人生。「落ち込むのはせいぜい2~3時間」

失敗にめげず、何度も何度も起業した過去

――過去にどんな会社を経営されてきたんですか? 豊永:化粧品関連の会社や清掃事業。飲食業もいくつもやりましたし、内装業やエステや建築関係の会社などをやってきました。 ――業種も様々ですね。 豊永:全ては縁ですね。例えば清掃事業を始めたのも、化粧品の会社を閉じた頃、マンションの掃除をしているおばちゃんを見かけたのがきっかけです。「この仕事はどんな仕組みで生まれているんだろう。掃除くらいだったら俺でもできるな」と思って、清掃の事業を始めました。そこから事業拡大で、ペンキを塗ったりクロス張りなど内装の仕事をやり、さらに増築や車庫を建設するような仕事もやるようになっていったんです。 ――全部、ご自身で会社を立ち上げてきたんですか? 豊永:はい、私は学校を出てから一度も会社勤めはしていません。でも、約20年間で立ち上げた会社はことごとく失敗ばかりでしたね。 ――堅実に会社勤めをしようと思うことはありませんでしたか? 豊永:僕の選択肢に会社勤めは全くなかったですね。起業して会社を動かすということは、自分が発信したことが世の中に少なくとも影響を与えているということですよね。それがやりがいになっていました。

巨額の借金でどん底の状態に…

――失敗が続くと、借金も大きくなるのではないですか? 豊永:失敗もそうですが、工事を請け負った居酒屋にお金を払ってもらえないなど、騙されたことも……。 ――最大、どのくらいの借金になったんですか? 豊永:利子を含めれば1億円はありました。 ――とてつもない額ですね! 銀行だけでは借りられないほどの額ですが。 豊永:正規でない業者からも借金をしていました。最終的には、事務所や自宅のガスや電気なども止められて、夜逃げもしました。 ――熾烈な取り立てもきたのではないですか? 豊永:会社にも家にも取り立てがきました。近所には申し訳ない気持ちでしたね。 ――反社会的な人が近所をうろついていると怖いですしね。 豊永:何棟か繋がっている建物の一部屋を事務所にしていたんですが、取り立ての人が、その全棟を制御する大元のブレーカーを落としたんですよ。入居している全ての会社のパソコンなどの電源が急に落ちたので、全員が慌てて外に出てきて大変なことになりました。
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“根拠のない自信”のおかげで「死ぬことは全く考えなかった」
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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