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無許可でギャラリーを撮影しまくる迷惑客。「申し訳なかった」と謝罪の電話が届くまで

20代ぐらいの男女のカップル客が…

 そのため無料で会場を貸してくれたオーナーに申し訳ないという気持ちにさいなまれ、「腰掛けで仕事していると思われるのが嫌で職場の人たちには黙っていたけれど、写真家になりたいことを話し、写真展の開催も宣伝しておけばよかった」などという考えも、頭をよぎる。 「そんなとき、20代ぐらいの若い男女のカップル客がやってきたのです。それはもう、手を握り締めて喜びました。でもそのカップルは会場に誰もいないとわかると、勝手に写真撮影を開始。結構いろいろなアングルで撮っていました」  佐野さんの写真展では、写真撮影は禁止。そのことは、会場内に複数のパネルを置いて警告していた。それでも佐野さんは最初、「パネルの警告が見えていないのかも」「写真に収めたいぐらい気に入った写真があったのかもしれない」と、ポジティブに考える。

「撮った写真は消していただけますか?」

展示ギャラリーでも、明らかにおかしい。端からずっと写真を撮っているのです。さすがにこれは……と思って注意をすると『ここの人ですか?』『写真、撮った人?』と、こちらが注意したことには反応せず、不躾にそう聞いてきました」  さらに「ほらぁ、やっぱりこの人が撮った写真じゃ~ん」と彼女のほうが言い、「あ、そこに立ってほしいー」と、佐野さんが撮った写真を背景に立つよう指示してきたという。さらに佐野さんが呆気にとられていると、「早く、ポーズ、ポーズ!」と急かしてきたのだ。 「普段は、あまり怒りの感情を表に出すことはありません。でも、時間をかけて丁寧に撮影してきた写真が冒涜されているようで悲しくなり、腹が立ってききました。そこで、『写真撮影は禁止です。撮った写真は、いま消していただけますか?』と強い口調で言ったのです」
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カップルの反応に「言葉を失った」
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フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意

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