ヒャダイン節全開のキラーチューン炸裂
TAKAHIRO監修ブロックからMCを挟み、バラード曲「Long long way home」を笑顔で歌い上げて本編の幕が下りると、会場はチームカラーである緑色のペンライト一色に染まった。メンバー全員の名前のコールに続いて「Team E!」の掛け声がこだまする中、メンバーが再びステージに現れアンコールがスタート。曲調がコロコロと変わるヒャダイン節が炸裂した「ぎゃぎゃぎゃわいい」もまた、キュートでポップなTeam Eの魅力が堪能できる公演屈指のキラーチューンである。
最後のMCでは、リーダーの佐藤が「この『声出していこーぜ!!!』公演はファンの方の声、声援が入ってやっと完成する公演だと、ヒャダインさんに楽曲をいただく時に言っていただきました。今日初日を迎えて、ファンの皆さんのコールが入ったのを私たちはステージ上でやっと聞けて、やっとTeam Eの新公演も動き出すんだなっていうのをすごく感じながら、たくさんの愛をいただきながら、このアンコールまで走ってきました」と思いの丈を語る。
一流クリエイター陣が生み出した作品に対し、全身全霊をかけて全力で応えたメンバーたち。さらにそこにファンの声援が加わることで公演が一つの完成形となる……というのは言葉にすれば当たり前のことかもしれないけれど、その「当たり前」がどれほどかけがえのないことかはメンバーもファンもこの数年で痛いほど感じてきた。だからこそ、この一体感が尊いのだ。
前日に行われたゲネプロでは、客席に座るのは関係者のみであった。メンバーたちが客席からの歓声を浴びてこのセットリストをパフォーマンスしたのは、この日が初めてということになる。
メンバーたちの熱いパフォーマンスを受け、客席からも大きな歓声が上がり、お互いにエネルギーを増幅して打ち返し合う。まさに、ファンの声が入ることで初めて新公演が完成する、アイドル文化のよさが存分に発揮された公演だったといえるだろう。
Team Eは2期生(2009年加入)から10期生(2019年加入)まで、29歳から14歳まで、在籍するメンバーのキャリアや年齢の幅が広く、実力に差があるのも事実。だがその点に関してTAKAHIROは「表現力の不安定さがあるとしたら、(今後)それがバチッと固まる瞬間がどこかにできる。それを見た時またさらにこのグループの魅力が上がると思う」「奇跡の瞬間をまだいくつも残している」「可能性を秘めている」とコメントしている(YouTube SKE48公式チャンネル「SKE48 Team Eオリジナル新公演「声出していこーぜ!!!」Document#1」より)。
公演を締めくくる曲「あなたへ」では熊崎をはじめ感極まって涙を流すメンバーも続出し、初日公演は万雷の拍手に包まれながら幕を下ろした。さて、「声出していこーぜ!!!」公演はまだ始まったばかり。この先、Team Eは我々に一体どのような「奇跡」を見せてくれるのだろうか? 可能性に満ちた伸びしろだらけの彼女たちに、期待せずにはいられない。
撮影/高須 力 取材・文/左藤 豊 編集/森ユースケ