仕事

「おじさん知らないの?」クレープ屋にたむろする迷惑女子高生の“意外な正体”とは…

ついカッとなってしまって…

 彼女たちの態度は日を追うごとに目に余ってきたそうです。中村さんはその様子に我慢の限界がきてしまったようで、思わず声を張り上げてしまったといいます。 「人間って不思議ですよね。気になり出したら、もう彼女たちの声がすべて騒音にしか聞こえなくなったんですよ。気がついたら『いい加減にしなさい! 他のお客様に迷惑だろ!』と口走っていました」  いつもの4人は中村さんに鋭い視線を送り、何も言わずに代金をテーブルにぶちまけて帰っていったそうです。 「あの時の彼女たちがにらんだ目つき、今思い出してもゾッとするほど怖かったですね。でも、注意して正解だったと思いますよ。だって、彼女たちがいなくなった分、なんとなく店内がスッキリして、一般のお客さんも入りやすくなったと思うんです」

まさかの売り上げ急降下

急降下「店の雰囲気もよくなったし、売り上げも少しは上がるかなと思っていたのですが、その日を境に売り上げが少しずつ落ちていきました。というか、学生客がピタリと姿を消してしまったんです」  中村さんは、たまたま買いに来てくれた女子高生に何気なく「みんな最近忙しいのかな?」と聞いてみたそうです。すると、女子高生は「おじさん知らないの?」と切り出しいろいろ話してくれたと言います。 「どうやら、うちの店を占領していた女子高生たちは、学校のカリスマインフルエンサーだったそうです。彼女たちは日々、私のクレープ店からLIVE配信をしていたんです。彼女たちの配信は相当な情報発信力があったんですね。そうとも知らずに……」  売り上げが急に下がってきた理由にようやく気づいた中村さん。しかし、全ては後の祭りでした。
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ようやく気づいたSNSの重要性
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愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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