2児のシングルマザーが築いた上野・湯島のスナック「お店は“もう一つの家”なんです」
―[ナイトクイーンたちの仕事論]―
クラブ、キャバクラ、スナック。水商売で働く女性たちはどんな仕事観、ポリシーを持ち、日々の業務についているのだろうか。夜の街に足を踏み入れたきっかけから、接客の心得まで——男性ビジネスマン諸氏も参考にできる“夜の仕事論”について語ってもらった。
人情派ママの溢れ出るスナック愛 湯島スナック「フルール」ともみママ
一坪あたりの飲み屋の店舗数が日本で一番多いといわれる、東京・湯島エリアにあるスナック「フルール」。今年で開店してから15年を数えるが、キャストとお客さんたちの笑い声が絶えないアットホームな雰囲気の同店は、人情派のママ・ともみさんの仕切りで今宵も賑わっている。お店を切り盛りしながら、シングルマザーで2児の子育てにも奮闘してきたともみママが考えるスナック経営と、楽しみ方のコツとは。 ——開店したきっかけを教えてください。 ともみママ(以下、ともみ):15年前、当時私は町田のキャバクラで働いていたんですけど、湯島で3、40年間スナックをやっていた母から引き継いでくれないかって言われたんです。子供の転校も考えなくちゃいけないし、二つ返事でってわけではありませんが、まあ、最後の親孝行のつもりでした。 ——当時、水商売はキャバクラだけでスナックで働かれた経験はなかったんですか? ともみ:はい。ただ、最後に勤めていたキャバクラでは「スナックともみ」みたいな立ち位置でした(笑)。ホステスさんの中でも、群を抜いて私が年長でしたから、年下の女のコから「どうやったら指名が取れるか」「どういう風にやったら好かれるか」「気遣いの仕方」とか、お仕事の相談に乗ったり、おじいちゃんのお客さんには私が率先してついたりして。 ——一つのお店の中に、ともみさんを中心にした独立店舗があったようなものですね。 ともみ:町田のお店は30店舗くらい系列のあるグループ店だったんですけど、他店から偵察…というか見学に来られることもあって。どういう接客なのか、ともみの技を盗んでこいって言われるようで。ちなみに社会人になりたての頃、ホテルマンとして働いていて、その時に接客の楽しさを知ったので、そこまでこのお仕事が続けられたっていうのもあると思います。客層も違うなかでゼロからのスタート
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