更新日:2023年10月06日 17:35
仕事

2児のシングルマザーが築いた上野・湯島のスナック「お店は“もう一つの家”なんです」

スナックで働くことの面白さ

——いろんなタイプのお客さんと触れ合うことの難しさがあると。 ともみ:ただ、これはこのお仕事の面白いところでもあるんです。普通に仕事してると触れられない人たちと、お酒も入って本当の素で話せるというか。なかなか、こんなにいろんなことを勉強させてもらう仕事ってないと思うんですけど、そこがやっぱりすごいとこだなって。 ——お仕事の楽しい部分、他にはどんなことがありますか。 ともみ:自分磨き、ですね。お店で働いてくれる女のコによくいうのが、自分磨きの場にしてほしいってことです。本当に働き出して2か月くらいすると、変わるんですよ。なんかすごい可愛くなったりとかして。 ーー2人のお子さんの育児と両立することの難しさもあったと思います。 ともみ:そうですね、スナックを始めたころの年齢は小学校1年生くらいで、ちっちゃい頃に離婚もしちゃったし、夜は家にいれないしで、すごい苦労はさせたと思ってます。その代わりってわけじゃなけど、休みの日や、本人がやりたいことや好きなことは全部してあげようと。勉強をみるとか常に寄り添えたわけじゃありません。ただ、このお仕事をしている影響か「人に迷惑はかけない」ことは強く言っていて、気づけば2人とも成人しました。今も仲良しで、お店にも飲みにきてくれるし、今年の家族旅行はどこに行く?とかいまだに言ってきてくれますね。

お客さん同士の交流がスナックの魅力

——お客さんにとって、スナックの楽しさはどこにあると感じていますか。 ともみ:キャバクラとの比較になっちゃうんですけど、お客さん同士の交流があるか、ないかだと思います。キャバクラだと、指名がかぶったりすると他のお客さんは敵でともすれば「早く帰れ」ってなっちゃう。それがスナックの場合、むしろ他のお客さんとの会話や交流を楽しめるってところが違いますよね。カラオケにしても、キャバクラだと隣の女のコとの会話を妨げる雑音になるところが、スナックだと歌合戦になったり。 ——なるほど。ただ、そのせいで一見さんには敷居が高い印象もあります。 ともみ:そこがお店側としての腕の見せ所で、例えば初めて来られるお客さんがカウンターに座っていて、常連さんが近くにいたら、そのお客さんの前で話しながら、常連さんにも話を振ったりして、どんどん巻き込んでいきます。それは私だけでなく、お店で働く女のコたちもそういう役割に徹してもらってます。その日、その時、お店に偶然集ったお客さんたちが一つのコミュニティというか、もう一つの家になる感覚ですね。 ——キャバクラとの比較という話だと、料金設定も違うんですか。 ともみ:キャバクラだと1時間あたりいくらで、あとはオプションで料金がかさんでいくってシステムだと思うんですけど、うちは時間制限なしで6000円なんですよ。ここに食べ物、割もの、氷とカラオケも全部入ってて。おはようからおやすみまで遊べるシステムです。時間と懐具合を気にしながら飲んでても、落ち着かないですからね。
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