仕事

「俺は有能なんだよ!」難関大出身の新入社員が職場で犯した“衝撃の奇行”

目に飛び込んだ驚がくの光景

 そんなある日、渡辺さんがいつもより早めに出勤した際、信じられない光景を目の当たりにしたといいます。 「あの日、僕はいつもより少し早めに出社したんです。社内の通信機器回線の工事に立ち会う必要がありまして……。念のため工事開始より30分早くオフィスに入りました。そうしたら、奥のほうで人影を感じ慌てて照明を点けたところ、なぜか宮本くんが出社していたんです」  宮本くんはイヤホンをしていたので、渡辺さんはそのまま自分のデスクへ向かいカバンを置こうと何気なく机の上を見た際、数枚の黄色い付せんが貼られていることに気づきます。 「俺はお前が思っている以上に有能なんだよ!」「なんで俺がおまえなんかに指図されなきゃいけないんだよ!」「俺はこんな会社にはもったいないんだよ!」などの、背筋が凍るような暴言が記されていたそうです。暴言の筆跡は、入社時に宮本くんが記入していた自己PR文の文字とよく似ていたとのことです。

暴言の付せんに託した真意とは

ふせん 渡辺さんは、少し早めに宮本くんをランチに誘い、今朝起こったことについてヒアリングをしたそうです。 「話を聞いていくと、どうやら宮本くんは就活に失敗し、納得のいかないまま入社したらしいんです。周りの社員と、大学時代の優秀な同期とつい比較してしまい、見下してしまう自分に嫌悪を感じ、それをふっしょくするためにわざと明るく振る舞まうことで余計にストレスが蓄積してしまい、今回のような奇行に及んだそうなのです。いつもは暴言を書いた付せんを社員が出社するころまでには撤収し、そのスリルを味わっていたようです」  宮本くんには、いつものような明るい表情は全くなく、まるで魂がぬけたような脱力感でいっぱいの様相だったといいます。
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本人の決断と残った課題
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愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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