「迷惑老人」になってしまう人に共通している特徴。予防に効果的なのは“捨てる”こと
超高齢社会において深刻化しているのが、迷惑老人の存在だ。今やあらゆる場所に生息。組織を蝕み、現役世代の成長を妨害している。そんなシルバーモンスターと対峙するにはどうすべきか?
なぜ、迷惑老人化する高齢者が生まれるのか? 「脳の2つの部分が関係している」と話すのは脳科学者の西剛志氏だ。
「1つ目が前頭連合野。感情をコントロールする場所で、ここの機能が低下するとブレーキが利かず、攻撃的になってしまう。2つ目が前帯状皮質。人の気持ちを読むときに活性化する場所で、共感力に大きな影響を及ぼします。ハーバード大学の研究では、48歳をピークにこの共感力が衰えることがわかっており、進行すると人の気持ちを考えられなくなってしまう。その結果、人目を気にせずキレたり、お説教してしまう高齢者になるのだと考えられます」
一般に脳の萎縮は30代から進み始め、認知機能が低下していく傾向にあるという。要は、誰もが迷惑老人化するリスクをはらんでいるのだ。
ただし、迷惑老人の増加は、日本特有の現象である可能性も……。認知科学の専門家である川合伸幸氏が解説する。
「30%弱という世界一の高齢者比率を誇る日本だからこそ、迷惑老人と呼ばれてしまう人が多くなるという側面があります。また、高齢者を取り巻く日本特有の環境の影響もある。終身雇用制・年功序列社会の日本では、年を取るほど役職が上がりますが、定年退職を迎えると途端に孤立しやすくなる。
人間関係の大半を仕事仲間が占めるという人が多いためです。肩書を持って長く生きてきたので、退職してそれを失うと、人の称賛を得られず、承認欲求は満たされず、不満を抱えるようになる。その結果、加齢からくる認知機能の低下と合わさり、迷惑老人化が進みやすくなる」
迷惑老人化には「脳の2つの部分が関係している」
迷惑老人の増加は日本特有の現象?
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