――以前は、合っているもの自体が、見えていなかったのでしょうか。 武田：自分が何を好きで、何にストレスを感じているのかあんまり分かっていなかったです。その方向性が見えてきたというか、自分が目指していた部分とはちょっと違うのかもしれないと知ったことで、現場でも自然体でいられるようになりました。 ――これまでに特に印象に残っている先輩を教えてください。 武田：みなさんステキな方ばかりなのでたくさんいるのですが。そうですね、木南晴夏さんは、とても好きです。 ――公開になった『唄う六人の女』は、竹野内豊さんと山田孝之さんが主演を務めるサスペンススリラーです。武田さんは竹野内さん演じる萱島の恋人かすみと、六人の女性のうちの一人の二役を演じています。 武田：自然が大きなテーマになっている作品ですが、私自身、自然はすごく好きで、日々の生活の一部です。少し疲れたら自然のある場所に行きたいと思うことが多いので、自然がテーマというのはとても嬉しいことですし、自然の中で撮影できるというのも、ワクワクしていました。 ――実際にあの映像のような山の中で撮影したのですか？ 武田：そうです。いろんな森で撮影しました。脚本を読んだ時点で、森での描写が多かったし、実際に撮影も楽しかったです。普段は入らせてもらえないような原生林の中に、かなり深いところまで入ることができ、都会では感じられない深い緑を見ることができました。それと、電波が届かない場所だったので、デジタルデトックスできました。