――武田さんは唯一の二役で、都会で働く女性も演じました。石橋義正監督とは何かお話されましたか？ 武田：特別な話はしていません。恋人役を演じさせていただいた竹野内さんは、ずっとテレビで見てきましたけど、どういう方なのか全く想像つかなくて、最初は寡黙かと思っていましたが、でも全くそんなことなく、少年のように気さくで親しみやすい方でした。年齢差のある恋人役でしたが、そのことはあまり感じずに、ナチュラルに役に入ることができました。 ――もう一方の役は、初の母親役ですね。 武田：そうなんです。私は一人っ子なので、今まで子どもと触れ合う機会がそんなになかったので、抱き上げ方から教えてもらって、みなさんに指導していただきながらの撮影でした。子役の子とは、ポケモンの話とかをしていました（笑）。 ――これから作品を観る観客にひと言お願いします。 武田：壮大で美しくて、でもちょっと奇妙な森が一番の見どころです。その中につい目を奪われてしまうような、美しくて奇妙な女たちが住んでいます。どうぞ、彼女たちの雰囲気に飲まれてください。 ――最後に、これからの目標は何か見据えていますか？ 武田：目標は置かずに、なんにでも柔軟に向き合えていけたらいいなと思っているところです。分析ノートのお話をしましたけど、自己分析の結果として、ありのままの姿で現場でもいられるようになりました。変に「いい子でいなくちゃ」とか考え過ぎず、自然体で役に入れたほうがストレスフリーで、役自体にもいい影響が出るのかなって。だから、柔軟にいろんな役を演じて、幅を広げていけたらなと思います。 ＜取材・文・撮影／望月ふみ＞ ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X（旧Twitter）：@mochi_fumi