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マイルチャンピオンシップの「レース質」から見えてくる‟絶対に注目すべき4頭”とは

 去る11月10日の金曜日に、最新刊『回収率を5%ずつ底上げしていくレース質マトリックス馬券教本 実践編』を上梓した競馬予想家の立川優馬氏。前回は、立川氏が編み出した予想理論「レース質マトリックス」についての話を伺いました。  後編となる今回は、マイルチャンピオンシップについてのインタビューをお届けします。

マイルチャンピオンシップと安田記念の違い

競馬

レース質に合致しているシュネルマイスターは、どれだけ離されずに追走できるかが鍵 
写真/橋本健

——日曜日に行われるマイルチャンピオンシップについて伺っていきます。まず、このレースが持つレース質から教えていただけますか? 立川:京都芝1600m外回りは向正面発走後、3角頂上へ向けて緩やかに上るレイアウトになっています。そのため、テンに緩みやすく、スローからの上がり4F戦になるのが特徴です。  JRAには芝のマイルG1として春の安田記念と秋のマイルCSがありますが、京都開催で行われたマイルCSの近3年(2017~2019年)の決着時計とテン3F及び上がり3Fと、同年の安田記念のそれを比べると以下のようになります。 競馬 開催時期の問題もありますが、安田記念は時計やテンの速度が速く、やや前傾ラップのマイル質のレースであるのに対し、マイルCSは時計やテンの速度が遅く、上がりが速い後傾ラップの中距離質のレースになっていることが分かります。  実際に、この3年間で安田記念では距離短縮ローテが3頭、距離延長ローテが3頭馬券に絡んでいるのに対し、マイルCSでは距離短縮ローテが5頭、距離延長ローテが1頭と明確に短縮有利の傾向が出ています。  これは、マイルCSでは、テンにゆったり入ることで中距離質の馬が追走負けせず、末脚を残したまま直線を向き、持続力のある末脚を生かすことができていることを表しています。

マイルチャンピオンシップのレース質は「外枠・差し・短縮・スローペース」

 加えて、マイルCSはCコースで開催されます。この時期の京都は内が荒れてきていることと、3~4角の下り坂の惰性を使えるため外枠有利になりやすいですが、特にCコースではA~Bコースのときほど直線で馬群がバラけず、距離ロスなく内を掬う競馬が難しくなり、枠なりの競馬を強いられることになります。その結果、外枠からスムースに末脚を生かせる馬が有利になりやすいのが特徴です。  以上のことから、マイルCSのレース質は「外枠・差し・短縮・スローペース」となります。それに加え、今週金曜にはまとまった雨が降る予報。土曜~日曜の競馬でCコース替わりでも内が荒れてくることを考慮すれば、今年のマイルCSは例年以上に外枠有利で取ることも考えたいですね。もし、土曜の競馬を見て思った以上に上がりが掛かるタフな馬場になっているのであれば、テンの速度も緩むでしょうから、距離短縮ローテの馬を重視する必要があるでしょう。
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レース質から見える「注目すべき4頭」
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馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
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