更新日:2024年04月12日 13:39
ライフ

ユニクロを日本一買っている男が明かす「ユニクロの品質が落ちている疑惑」の真相

★近年、ユニクロの品質が落ちてる?

カシミヤクルーネックセーター

高級素材として広く知られるカシミヤを使用したニット

「最近のユニクロはすぐダメになる」「生地が薄くなった気がする」「一度洗ったら風合いが変わっちゃった」。  近年、SNSではそんな声が散見されます。私は展開されているメンズアイテムのほぼすべてを毎年購入していますが、確かに10年前と比較すると「耐久性が下がった」と感じなくもありません。  ただ、「質が落ちた」というのは当てはまらないと思います。モノ作りをされているアパレル関係者なら100%理解していると思いますが、ユニクロは10年前と比べて明らかにコストに合わない素材使いをしています。  カシミヤやウール、セルヴィッヂデニム、リネンなどブランドでも採用を躊躇するような高級素材を積極的に取り入れています。原材料の希少性などから考えれば、明らかに素材クオリティは上がっています。その意味で「質が落ちた」とはまったく言えないでしょう。

「質は高いけれど、耐久性が低い素材」を採用

 それでは、そんな背景があるにもかかわらず、なぜSNSなどで「ユニクロは質が落ちた」「すぐダメになる」と言われるようになったのでしょう?  それは「質=耐久性」ではないからです。先ほどユニクロが扱う高級素材の代名詞としてカシミヤ、ウール、セルヴィッヂデニム、リネンを挙げましたが、それらの多くは「質は高いけれど、耐久性が低いものばかり」のはずです。  ウールとポリエステルはどちらが強いイメージですか? ナイロンとカシミアはどうでしょう? 高級素材ほど洗いにくくケアが難しいイメージはありませんか?  なぜか日本人は「高い服ほど長持ちする」と思い込んでいますが、素材だけで言えばそれはまったく逆です。ポリエステルやナイロンや格安の分厚いコットンのほうがコストも安く、耐久性も高い。他方、ウールやカシミヤ、リネンやシルクなど高級素材のほうが脆くダメになりやすいのです。  つまりユニクロとしては高級素材を使いクオリティUPを実践しているけれど、耐久性という意味ではそれが逆効果につながっている……と推察されます。  ただ、もちろんユニクロもそんなことはわかっていて高級素材でも耐久性が保てるようにいろいろ工夫をしていますが、それでも過去の格安素材時代と比較すると多少劣ってきているのでしょう。なかなか難しい問題ですが、今後のユニクロの工夫に期待です。
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デザイナーズコラボの舞台裏
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