更新日:2024年04月12日 13:39
ライフ

ユニクロを日本一買っている男が明かす「ユニクロの品質が落ちている疑惑」の真相

★デザイナーズコラボってなぜ続くの?

パデッドボリュームジャケット

クリストフ・ルメール氏とのコラボ「ユニクロU」は毎シーズン、大きな注目を集めている

 ジルサンダーを筆頭に、エルメスのデザイナーを務めたクリストフルメールとのコラボ、ロエベのデザイナーであるJWアンダーソンとのコラボなど「ハイブランドコラボ」が盛んに行われています。  消費者としては世界クラスのデザインが低価格で手に入るので嬉しい限りですが、同時に「本家ブランドからするとイメージ下がるはずなのになぜやるんだろう……?」と疑問に思ったことはありませんか? 「買う人が増えてくれるからメリットが多いんじゃないか?」と思う人もいるかもしれませんが、ジルサンダーのアウターは現在基本の価格で20万円を超えています。いくらなんでも5000~6000円くらいの価格帯で出している+Jから本家ジルサンダーに進む人がそんなにいるとは到底思えません。  知名度UPにはなるかもしれませんが、本家の売上向上にはほとんど寄与しないはずだし(価格帯から推察する客層がまるで違う)、また既存のブランドファンからすれば「ユニクロコラボ」で喜ぶ人はいないでしょう。 「安いイメージになっちゃったなあ」とがっかりする人も多いんじゃないでしょうか。実際レディースブランド「マメクロゴウチ」とユニクロのコラボでは発表した瞬間からブランドのインスタコメント欄が大炎上。「なぜユニクロなんかと組むんだ」と激怒したブランドファンが殺到したものです。  そう考えるとブランド側はなぜユニクロと組むのでしょうか。デメリットしかないように思えるかもしれませんが、実はここにはカラクリがあります。

ブランドとのコラボでなく、デザイナー本人とコラボ

 +Jを「ジルサンダーとユニクロのコラボ」と思ってる人は多いのですが、実はあれは正しくは「ブランドであるジルサンダー」とのコラボではなく「デザイナー本人であるジル・サンダー」とのコラボです。JWアンダーソンコラボも「ロエベ」とのコラボではなく、本人とのコラボです。  ユニクロUもブランドである「ルメール」やまして「エルメス」とのコラボではなく、あくまで本人である「クリストフ・ルメール」とのコラボでしかないのです。  ジルサンダーを例に挙げれば、実はブランド・ジルサンダーから本人はすでに離れています。プラダグループに買収され、かつ本人であるジル・サンダー女史は喧嘩別れで退任しています。なのでブランドイメージが落ちる落ちないなどが関係ない状態なわけですね。  ジルサンダーをやめた後にユニクロはコラボライン+Jを展開していますから、間違いないでしょう。ラストコレクションでは本家からクレームでもあったのか「ジルサンダーとのコラボ」ではなく表記を「ジル・サンダーとのコラボ」としています。  もちろんMARNIなどブランドとの直接コラボの例もありますが、その場合もブランドイメージや本家を毀損しないためにかなり慎重に商品展開を決めているようでした。MARNIは本家で売れてるようなベーシックなアイテムを展開せず、どちらかというと売りにくい派手なアイテムを展開したり。バカ売れしているバッグ類などには手を出さなかったりと、「線引き」を意識していました。  このようにブランドコラボはイメージ毀損が最大の難点ですので、仕掛けるユニクロ側も慎重に相手を選び内容を精査しているのです。
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