更新日:2023年12月01日 12:04
スポーツ

世界的にも“異常”なワールドカップアジア予選。大スポンサー「中国と中東」の政治力による影響か

ワールドカップ予選、試合数が多すぎる問題

 次大会からAFCにおける出場権は4.5から8.5に増枠された。1次予選は27位以下のチームが10組に分かれてホーム&アウェイで2試合を行い、勝った10チームが2次予選に進出する。その10チームにFIFAランキング上位26カ国が加わり、4チームずつに組み分けされた10グループでリーグ戦を行う。その上位2カ国が3次予選に進出。その後、6チームずつの3グループに組み分けされてリーグ戦を行い、上位2チームが出場権を獲得できる。残りの2.5枠は3次予選で3、4位になった6チームによって争われることになる。  つまり、2次予選から参戦の日本でも出場権を得るまでに最低でも16試合も行う必要がある。

なぜ半数以上がシードされているのか

 55カ国が参加するヨーロッパはシードによる予選免除などはないが、4〜5チームで12グループに分けられてリーグ戦を行う形式で、出場権の獲得までは最低でも6〜8試合となっている。南米は参加国すべての10チームによるリーグ戦が行われるため、出場権を得られるまでに18試合となっている。アフリカは54カ国によって9.5枠を争うことになるが、今回から6チームずつの9グループに分かれるリーグ戦に変更され、最低10試合で出場権を得られることになった。北中米は3カ国に開催国枠が与えられることになり、異例の形式になる。ただ、前回大会まででいえば3ラウンド制の予選となっており、本大会出場常連国のメキシコやアメリカなど上位5チームは最終予選までシードされていた。  他地区と比較すると、いかにアジア予選が世界とかけ離れているかがわかる。加盟国数の少ない南米には2グループに分けるくらいしか試合数を減らす施策はないが、加盟国数の多いアジアはヨーロッパやアフリカに習って試合数を大幅に削減すべきだった。仮に、そのまま3ラウンド制を維持するにしても、シード国数を絞って3次予選からの参加にすべきだ。そもそも半数以上がシードされるという状況には大きな疑問符をつけざるを得ない。
次のページ
「政治的な要素」が歪な予選形式の背景に?
1
2
3
4
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
記事一覧へ
おすすめ記事