更新日:2023年12月01日 12:04
スポーツ

世界的にも“異常”なワールドカップアジア予選。大スポンサー「中国と中東」の政治力による影響か

「政治的な要素」が歪な予選形式の背景に?

 推測の域を出ないが、アジアの予選方式には政治的な要素が大きく関係しているように思う。AFCの現・会長の出身国はオマーンだが、その前は中国出身で、2つ前はカタール出身者となっている。このように近年のAFCは中東勢と中国によって、その権力が争われてきた経緯がある。彼らのような権力者たちはもちろん自国の本大会出場を願っており、少しでも自国出場の可能性が広がるように考えられた結果が、現状の予選方式なのだと推察する。 他の連盟に比べると、2位や3位以下でも次ラウンドに進めるチャンスがあまりにも多い。これは中堅チームにより多くのチャンスが与えられることと同義である。今一度、先述のランキング表を見てほしい。中堅にはどのような国がならんでいるのかを。 加えて、FIFAからの影響も感じ取れる。昨今のFIFAのスポンサーに中東や中国が増えているのは誰の目にも明らかである。そういったスポンサーの意向が少なからずとも影響しているのではないかと邪推してしまう。 このようにさまざまな影響はいつの時代もあるとは思うが、最も大切なのはその大会で素晴らしいプレーを見せてくれる選手たちである。選手が壊れてしまうと、すべてが成立しない。そのことを再認識したうえで、次回からの予選が構造改革されることを願ってやまない。 <TEXT/川原宏樹 撮影/Norio Rokukawa>
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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