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2023年秋ドラマ「コア視聴率」ベスト10。すべて“合格ライン”超えの大混戦

名作揃いの秋ドラマ、コア視聴率のベスト3は?

セクシー田中さん

番組公式HPより

 秋ドラマが最終回ラッシュを迎えている。民放の収益を大きく左右するため、各局が重視するコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)はどうなっているのだろう。まずベスト3を見てみたい(12月4~10日、ビデオリサーチ調べ、関東地区)。 ①日本テレビ『セクシー田中さん』(日曜午後10時半) コア3・4%、個人3・8%、世帯6・5% ②TBS『下剋上球児』(日曜午後9時) コア3・2%、個人6・6%、世帯10・2% ③テレビ朝日『相棒season22』(水曜午後9時) コア2・7%、個人6・6%、世帯11・1% ③フジテレビ『いちばんすきな花』(木曜午後10時) コア2・7%、個人3・2%、世帯5・5%  日曜日の遅い時間帯の放送にもかかわらず、『セクシー田中さん』がトップ。主演の木南晴夏(38)も出ていた同じ放送枠の大ヒット作『ブラッシュアップライフ』(2023年冬ドラマ)が記録したコア4%超えもありそう。 『セクシー田中さん』をキワモノ作品と捉える向きもあるが、実際には現実的で今日的な若者たちが登場する群像劇。その若者たちの悩みや迷いを笑いのオブラートに包んで描いている。共感できる部分が多いからコア世代に広く受け入れられている。

幅広い世代に観られている『相棒』

下剋上球児』はコア視聴率で常にトップ争いを演じている。「許し」や「再生」など人間にとって普遍的なことがテーマなので、若い視聴者も惹き付けるのだろう。  鈴木亮平(40)が演じる主人公の教師が無免許だったことに抵抗をおぼえる人もいるようだが、このテーマだから外せない設定だ。無免許の設定がなかったら、凡百の高校球児物語になってしまった。おそらく、ここまでの支持も得られなかっただろう。 『相棒』は若者から高齢者まで幅広く観られている。『いちばんすきな花』のコア視聴率は『相棒』と同じ数値だが、こちらは若者限定と言っていい。主人公の若い4人の生き方、考え方が描かれているのだから、当然だ。後半になって数字が伸びた。
相棒

番組公式HPより

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コア視聴率を番組関係者が最重視するワケ
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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