「負けても自分のせいじゃない」岡田武史が明かす、修羅場や大勝負で“開き直る”大切さ
覚悟を決めたら自分の軸がぶれなくなる
その後はコンサドーレ札幌、横浜F・マリノスの監督を歴任し、2度目の日本代表監督になったのは2008年。当時監督だったオシム監督が急病を患い、入院を余儀なくされたことで後継監督に指名されたのだ。
再び日本代表を率いるトップとして指揮を執ると、アジア最終予選を勝ち上がり、2010年W杯南アフリカ大会への切符を手に入れる。
しかし、その後の強化試合では結果が伴わず、マスコミやサポーターからはひどく酷評され、「1勝もできずに予選で敗退する弱小チーム」とレッテルを貼られてしまう。
こうした状況下でも、岡田さんは断じて自分の意思を貫き、一切怯まない姿勢を大事にしていたそうだ。
「ありのままの自分を受け入れ、覚悟を決めたら、ちょっとやそっとのことでは動揺しなくなり、自分の軸がぶれなくなる。『試合で勝つためにどうすればいいのか』というのは24時間、四六時中考えていましたから、どんなに試練が訪れようが批判に晒されようが、結果を出すために、やりきるしかないんです。
そういう意味では、初めてW杯に出場した1998年のフランス大会よりも、2010年のアフリカ大会の方が気持ち的にも楽でした。ネットやマスコミで言われていることも、一切見なかったですし、気にしなかったですね」
劣勢ムードが漂うなかで始まった南アフリカ大会の初戦はカメルーン戦。大事な格上相手の試合に見事勝利を収め、白星スタートを切る。
次戦のオランダ戦は破れたものの、第3戦のデンマーク戦も勝利を果たし、日本代表をW杯の決勝トーナメント進出に導いた。
当初の下馬評を覆した大健闘に、苦言を呈していたマスコミやサポーターからも大きな支持を集め、賞賛されるようになったのだ。
結果的には決勝トーナメントであたったパラグアイ戦に敗れたが、日本代表をベスト16まで導いた岡田さんの采配や手腕は高く評価された。
雑念や邪心を捨て、決断できる状態を作ることが大事
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
1
2
【関連キーワードから記事を探す】
この記者は、他にもこんな記事を書いています




