吉田凜音、24歳。中国から日本に戻ってきたら「自分の居場所がない」10年間の道のりと葛藤
14歳でメジャーデビューを果たし、その後は“現役女子高生アーティスト”として話題を呼んだ吉田凜音さん(24歳)。
北海道出身の吉田さんは、幼稚園の頃から両親とともに音楽アーティストのライブを身近で見る機会が多かったそうだ。
「北海道で開催される日本4大フェスの1つ『RISING SUN ROCK FESTIVAL』に連れていってもらった時は、ステージの前から3、4列くらいでアーティストのライブを観ていました。当時は子供の肩車がOKだったので、父親に担いでもらって、幼いながらに『将来はアーティストになれたらいいな』と思っていましたね」(吉田さん、以下同)
また、小学1年生から札幌アクターズスタジオへ通い、週6でダンスや演技、音楽のレッスンを受ける生活を送っていた。
歌手を目指そうと思ったきっかけは、テレビ番組「ポケモン☆サンデー」(テレビ東京系列)に出演していた中川翔子さんが、タレント活動だけでなく歌手としても活躍していると知り、そのワンマンライブに参加したことだという。
「中川翔子さんのライブツアーのスケジュールを見ると、地元の北海道でも開催予定があったので、母親にチケットを買ってもらって一緒に観に行きました。ファンの方はすごく熱量が高くて、衣装を自分たちで作って、ファン同士で写真を撮ったりしていたので、私も母親と一緒に衣装を作ってライブに参加したんです。
そしたら、ライブ中の“しょこたんと踊る”という企画に選ばれて。大きなステージで踊るという貴重な体験をさせてもらったのですが、舞台上から見る光景は本当にキラキラしていて、『私の将来の夢は歌手になる』と決意した瞬間でした」
転機が訪れたのは、アクターズスタジオのオーディションライブに参加したときだった。レコード会社からスカウトされ、ソロアイドルとしてのデビューが決まったのだ。
中学校に進学してからは、アイドル活動と学校生活の両立が始まった。
毎週金曜日の午後に学校が終わると、そのまま新千歳空港に向かい、週末は東京でライブを行う。
そして月曜日の一番早い便で北海道に戻り、2、3時間目から学校の授業に遅れて参加していたとのこと。
このように精力的に活動していた一方で、「素の自分を貫き、意志を持って活動する」ことを意識していたと吉田さんは言う。
「正直アイドルにしか見えない年齢でしたが、本当はアーティストになりたかったんです。ただ、いきなりアーティストとして活動するのは厳しい。そう感じたので、まずはアイドルから頑張ってみようと思ったんです。
そのなかでも、アイドルに寄り添わずに『可愛さ』よりも『かっこよさ』を追求していました。アイドル自体は好きですが、自分を演じるアイドルは嫌だったんですよ。当時からずっとかっこいい女性でありたいと考えていました」
アイドルにはじまり、バンドやラップなどの音楽活動、さらにはモデル、女優など幅広いジャンルで活躍してきた。だが、こうした華やかな経歴の裏には多くの挑戦とともに、今まで語ることのなかった葛藤や苦労もあったという。
10周年を迎えた今、自らの活動テーマを「Break All Borders」に設定し、次のステージに向けて決意を新たにしている。
彼女の歩んできた道や、芸能活動を通じて追い求めた自身のあり方、これからの展望について本人に話を聞いた。
“しょこたん”の影響で歌手を目指すように
「かっこいい女性でありたい」という思いが強かった
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ