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アジアカップに“魅力を感じる選手”はいるのか…優勝候補筆頭も懸念となる「モチベーション問題」

アジアカップに魅力を感じる選手はいるのか

 このように優勝が期待される日本代表だが、唯一の懸念点は選手のモチベーションになる。前々回大会までは、優勝すれば大陸間王者を決めるFIFAコンフェデレーションズカップの出場権を得られ、開催前年にワールドカップ開催地で各大陸王者と対戦できる貴重な機会を得られた。しかし、コンフェデレーションズカップが廃止となった現在は大陸王者の栄誉だけになってしまい、世界への扉は閉ざされてしまった。  現在の日本代表は世界レベルで活躍する選手が増えた。それを踏まえると、アジア王者の栄誉や権威に魅力を感じられる選手がいかほどいるだろうか。実際に個人的キャリアを優先させる選手も出てきている。そういったことを踏まえると、これから世界へ羽ばたきたい、もっとキャリアアップしたいと強く望むモチベーションの高い選手らの活躍に期待する。  森保監督は試合ごとに選手を入れ替えるターンオーバー制の導入を示唆しており、招集された全員にチャンスは与えられることだろう。右サイドで高いクオリティを発揮している毎熊晟矢、中盤で巧みなゲームコントロールを見せる佐野海舟、Jリーグで高い得点力でゴールを積み重ねた細谷真大ら国内組は、この大会をきっかけにさらなる飛躍を見せてもらいたい。特に、細谷はパリ五輪の出場条件を満たす2001年以降の生まれで、オリンピック開始年である今年は大きな躍進を期待したい選手のひとりだ。  もちろん、その他に招集されたメンバーも全員が負けず嫌いであり、優勝を狙わない選手はひとりもいない。だから、モチベーションの問題が大きな歪みを生じさせることはないだろう。ただ、ギリギリの戦いを強いられたとき、より勝ちたいと望む強い気持ちを持つほうにチャンスは転がることはよくある。だからこそ、高いモチベーションを持つ選手を積極的に起用してもらいたい。 <TEXT/川原宏樹 撮影/松岡健三郎>
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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